邦楽のススメ! 第3弾 文楽編

鑑賞する機会が少なくなった日本の伝統芸能に触れて、日本文化の素晴らしさを実感していただく講座つきの演奏会を、今年度も3回開催します。
高校生以下の次世代を担う子供たちは参加料を無料とします。
歴史のある日本の伝統芸能をみて・聞いて・体験して日本の文化を再発見しよう!

文楽(ぶんらく)とは?

 正式には「人形浄瑠璃文楽」といい、日本を代表する古典芸能の一つで、太夫・三味線・人形が一体となった総合芸術です。その成り立ちは江戸時代初期までさかのぼり、古くはあやつり人形、そののち人形浄瑠璃と呼ばれています。竹本義太夫の義太夫節と近松門左衛門の作品により、人形浄瑠璃は全盛期を迎え、竹本座が創設されました。この後、豊竹座をはじめいくつかの人形浄瑠璃座が盛衰を繰り返し、幕末、淡路の植村文楽軒という人物が始めた一座が最も有力で中心的な存在となり、「文楽」が人形浄瑠璃の代名詞となり今日に至っています。

公演名平成26年度 文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
邦楽のススメ! 第3弾 文楽編


クリックすると
PDFでご覧頂けます
日時2015年2月7日(土)
時間開場13:30 開演14:00
会場iichiko総合文化センター 地下1階 リハーサル室
出演者 <太夫>豊竹靖大夫
<三味線>鶴澤清志郎
<人形>吉田玉佳・吉田玉勢・桐竹勘介
実演 ・『雅楽之介の注進(うたのすけのちゅうしん)』
 「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)
  土佐将監閑居の段(とさしょうげんかんきょのだん)」より

・『お園のクドキ』
 「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ) 酒屋の段(さかやのだん)」より
公演内容(計2時間予定)

お 話:太夫・三味線・人形の役割を実演を交えながら解説します。
 ↓
体 験:実際に舞台に上がって、お客様に体験していただきます。
 ↓
実 演:三業が息を合わせた「文楽」の演目を実際にご覧いただきます。
 ↓
質 問:出演者がどんな質問にも答えます!
料金高校生以下 無料(未就学児入場可)
保護者(1名につき)500円
一般 1,000円
受付開始12月7日(日)10時
申込み方法 ① iichiko総合文化センター 1階インフォメーションにてチケット購入。
emo-info@emo.or.jp またはFAX(097-533-4013)で申込み。
 〈記入内容〉代表者氏名、参加人数(うち 高校生以下の人数)、連絡先
主催公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団 TEL 097-533-4004
助成文化庁

実演

○ 実演1

『雅楽之介の注進(うたのすけのちゅうしん)』「傾城反魂香(けいせいはんごんこう) 土佐将監閑居の段(とさしょうげんかんきょのだん)」より、京都の絵師をとりまくお話です。「主君の姫君が敵方にさらわれた。大至急捜索してほしい」と狩野元信の弟子、雅楽之介が注進(=事件を急いで目上の人に報告すること)に来る、その様子をご覧いただきます。立役人形(男の人形)の「型(かた)」と言う独特のポーズが連続し、短い時間ながら文楽の立役人形のエッセンスが凝縮された、見ごたえのある内容です。

○ 実演2

「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ) 酒屋の段(さかやのだん)」より、半七(はんしち)とお園(その)は結婚していましたが、夫の半七が他の女と深い関係になったため、実家に引き取られています。一人打ち沈むお園は、帰らぬ夫の身を案じます。私と結婚などしなければ、いっそ私という存在がなかったならば、半七さんは身を誤ることなどなかっただろうに・・・と恨みごとを言うどころか、自分の未練が事を引き起こしたのではと、自らを責めるのでした。『今頃は半七さん、どこにどうしてござろうぞ』とかきくどく(切々と心情を述べる)様子をご覧いただきます。

文楽(ぶんらく)ってどんなもの?

 文楽(ぶんらく)は、大阪を発祥の地として現在まで受け継がれている、大阪を代表する芸能です。文楽という名前をご存知の方は多いと思いますが、伝統芸能だけに「敷居が高い」と思われる方も多いのではないでしょうか。
 文楽は、太夫(たゆう)・三味線(しゃみせん)・人形(にんぎょう)の三業(さんぎょう)が一体となって作り上げる芸能です。本講座は、その三業について、それぞれ実演を交えながらわかりやすくレクチャーし、その魅力をお伝えするものです。

太夫と三味線

 太夫と三味線は、対等な立場で競演しながら、義太夫節を組み立てていきます。どちらが指揮者というわけでもなく、お互いの意気が合うことが大切で、緊迫した呼吸の積み重ねの内に進められていきます。

太夫の語り

 太夫は義太夫節によって、浄瑠璃の世界を描き出し、伝えるのですが、場面の情景、物語の背景、登場人物全員の言葉など、全てを一人で語り分けます。その際、実写を基本としながらも、技巧的に老若男女の声をそれらしく聞かせるという単なる声色ではなく、豊かに喜怒哀楽を語って、役の性格、人情など人間の本質を深く追求し、表現するのです。

三味線

 文楽の三味線は太夫の語りと一体になって義太夫節の情を表現します。一般に三味線は細棹、中棹、太棹の3種類にわけられ、文楽で使う太棹三味線が一番太くて重く、駒やバチ(撥)も大きく作られています。その重厚な太い音色が、人間性の本質に迫る義太夫節に適しており、音一つの内にも、背景や心情などを描き出す事のできる表現力を秘めているのです。

人形

 文楽の人形は、人形一体を三人の人形遣いが操る、世界でも例をみないもので、微妙な動きはもちろん心情までも表現し、生身の人間以上に訴えかけるものを持っています。人形は、かしらや衣装など、ばらばらに保管されています。公演の度に役に合わせて、かしらにかつら(鬘)を付けて結い上げられ、衣裳・手足・胴・小道具などが揃えられて、人形遣い自身が人形を拵えます。