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「入学」から始まるタカラヅカ 宝塚歌劇団の「生徒」、つまり団員になるためには、宝塚音楽学校を卒業しなければなりません。「生徒」になるために「学校」を「卒業」する? 考えてみれば奇妙な話ですが、それが宝塚なのです。 「難関」、それもタカラヅカ
「入団」してからも学校音楽学校の課程は予科・本科の2年。クラシック・バレエ、モダン、ジャズ、タップ、日舞などの舞踊はもちろん、ピアノ・琴・三味線などの和洋楽器、声楽、演劇、さらには狂言まで、舞台に必要なものをこの短い時間の中で修得しなければなりません。そして卒業後、入団を許される歌劇団もまた学校であることに変わりありません。なぜなら、出演者を女優と呼ぶことはなく、生徒としてレッスンを受ければ、試験も受けます。 「組制」が敷かれているのも宝塚歌劇団の特長のひとつ。初めて組ができたのが1921年(大正10年)のこと、それが花組、続いて月組でした。1998年(平成10年)に宙組が誕生し、現在5組となっています。
「組」、それはタカラヅカの歴史1914年(大正3年)の初公演当時は生徒数も20人足らずで、組み分けの必要もありませんでしたが、公演回数が増加するに従って組が生まれます。1921年(大正10年)、4公演が8公演に増えたことから生徒を1部と2部に分け、それがそれぞれ花組、月組となりました。その3年後、大劇場が完成して12公演となると雪組が誕生します。1933年(昭和8年)、東京宝塚劇場オープンを前に星組が新設され、レビュー黄金時代を迎えます。しかし、戦時色が濃くなる中で「星組廃止」という悲しい時代も経験しますが、戦後の1948年(昭和23年)、星組復活で再び4組となりました。そして、1998年(平成10年)、長年の念願であった東京通年公演が実現され、ここに宙(そら)組が誕生します。何と65年ぶりの組新設でした。 「組」、 そしてトップスター
『ベルばら』の驚きはじめは二本立てのうちの一本として幕をあけたものの、あまりの人気に一本物として書き換えられたこの作品は、各組に引き継いで続演されます。このブームに続き、平成の再演でも再びブームとなるなど、その人気の根強さもやはりこの作品の驚きです。その演出陣も華やかで、その艶やかな芝居で伝説ともなった長谷川一夫を迎えたことも話題となりました。多くの地方公演も行なわれ、宝塚ファンでなくても一度は見たことがある宝塚を代表する作品となり、世の中には、宝塚歌劇団とは『ベルばら』を専門に演じる劇団と勘違いする人も現れたほど。これを機にファン気質にも変化が現れ、社会への影響も大きく、音楽学校の入試倍率が40倍を超えたほどです。 『ベルばら』にみる “男装の麗人”の魅力軍服に身を包みながら女性であることを誰もが知るオスカル、近衛兵オスカルに護られ、異国の貴族フェルゼンとの恋に陥るマリー・アントワネット、そしてオスカル自身はフェルゼンに恋心を抱き、そのオスカルを慕うアンドレ。アントワネットを除く三役が男役によって演じられ、このようにタイプの違うさまざまな男役の競演が見られるのもこの作品の大きな魅力となっています。 忘れられない “ベルばら4強”ファンにとって『ベルばら』が特別である要素の一つに、各組の歴代トップスターたちが、それぞれのオスカルを個性豊かに、そして華やかに演じてきたその歴史があります。中でも忘れられないのは”ベルばら4強“とまでいわれたトップスターです。初代オスカルの榛名由梨、2代目の安奈淳、3代目の汀夏子、フェルゼン役の鳳蘭。その中でも榛名由梨のオスカルの美しさ、原作のオスカルに最も近いといわれたのが安奈淳でした。 新しく3つの 『ベルばら』 『ベルばら』としてくくられてきたこの作品ですが、トップスターや組に合わせてその舞台にも違いがあります。初演(月組)以後、50年には『アンドレとオスカル』(花・雪組)、51年には『ベルサイユのばら(III)』(星組)、平成元年『アンドレとオスカル』(雪組)、『フェルゼンとマリーアントワネット編』(星組)、平成2年『フェルゼン編』(花組)、3年『オスカル編』(月組)などなど。今回大分公演では雪組がオスカル編を演じます。オスカル役を演じるのは、今年に入ってオスカル、アンドレ、アランと演じてきた水夏希。
そしてもうひとつ注目したい役どころが今年12月に退団することを発表したばかりの舞風りら演じるロザリー。アントワネットに仕えるがじつは貴族の娘だったロザリー。アントワネットのフェルゼンへの思いを知りながら、王妃としての立場にも苦しむアントワネットを深く理解するという役柄。今回のロザリーは、生涯をかけて一途にオスカルを慕うという今までになかったロザリーが表現され、ここに宝塚ファンに共通する気持ちも描かれていると脚本と演出を担当した植田紳爾氏が「ベルサイユのばら 特集本I」で語っています。じつはこの方『ベルばら』最大の功労者で、その功績が認められ、歌劇団史上初めて演出家から理事長になった人でもあるのです。ロザリーのために新しい2曲が加わり、幻想シーンまで加わりました。
Peformer's interview
さらなる夢に向い、 大分から宝塚へ
宝塚歌劇団雪組 蓮城まこと profile
大分出身のタカラジェンヌ、蓮城まことさん。そんな彼女の待望の初大分公演は、宝塚の代表作でもある『ベルサイユのばら』。公演を控えた蓮城さんに宝塚歌劇団のこと、そして公演についてお話を伺いました。 ー蓮城さんはなぜ宝塚を目指したんですか? 「小学4年生の時に、別府で月組の公演があり、その公演を観て入りたいなと思いました」 ー実際宝塚音楽学校での生活はどうでしたか? 「噂どおり厳しかったです(笑)。今となってはその厳しさも全部必要なことだったんだなと思いますけど。あと節目節目にいろんな行事があり、それを目標にみんなで頑張ったことが一番の思い出ですね」 ー今回『ベルサイユのばら』に出演されている感想はいかがですか? 「すごくきらびやかな作品ですし、これまで上級生の方々が作り上げてきた『ベルサイユのばら』をくずさないように頑張らないとと思ってやっています。あと、設定が今の現実ではありえない世界なので、いかにお客様をその世界に引き込むことができるかを考えないとダメだなといつも思っています」 ー普段宝塚の中にいて、蓮城さんが一番感じることってなんですか? 「違う自分ですね。男役なので、普段の自分のままではいけないし、そういう違う自分になれるところが楽しいです。そして日々いかに男らしくするかを研究しています」 ーそれは具体的にはどういうことを? 「好きな映画を観て、俳優さんのかっこいい動きとかを参考にしたり、上級生の方をみて勉強したりしています。宝塚特有の所作があるので、普通の男性というよりは上級生の方から学ぶことが多いです」 ー今回は初の大分での公演ですが。 「まだ実感がないんですけど、きっと緊張するんでしょうね、頑張らないと(笑)。グランシアタは中学校か高校の時、合唱コンクールで舞台にたったことがあり、そこで出来るんだと思うと嬉しいですね」 ー最後にこれからの目標を教えて下さい。 「宝塚では男役10年と言われているんです。私自身4年目で、まだホントに男役になり切れていないので、もっと男らしさを研究して皆さんに喜んでいただけるようになりたいなと思います」 ![]() ベルサイユのばら 特集本 IタカラヅカMOOK/阪急コミュニケーションズ 本体1905円+税 原作者・池田理代子のインタビューに始まり、現在の主演者の対談、「オスカルより湖月わたるフェルゼンへ」などの特集記事が並ぶ。また、榛名由梨、安奈淳など4強と呼ばれる初演者の寄稿文や名場面もマンガとともに掲載。この他にも歴代オスカル軍服特集、アントワネット・ドレスコレクションなど、ベルばら集大成ともいえる特集本の第1弾。 宝塚というユートピア川崎賢子著/岩波新書/本体740円+税 戦争、占領、テレビというメディアの誕生を経ても今なお進化し、根強い人気に支えられる宝塚の魅力とは。文化としての宝塚、産業としての宝塚、宝塚というレヴューが放つ魅力、そして宝塚というジャンル、宝塚というシステムなど、あらゆるジャンルから宝塚を読み解いた一冊。 ベルサイユのばら 完全版池田理代子著/集英社/本体1000円+税 1972年より『週刊マーガレット』で始まった「ベルサイユのばら」。フランスのベルサイユで宿命的な出会いを持った主人公たちによる壮大なドラマが、いままた、昨年12月から完全版として、「ベルサイユのばら外伝」も加えて9巻までが順次発行されました。「ベルばらブーム」という社会現象までも起こしたその原点を読み通してみてはいかが。 |
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