幅広い活動を続ける落語界の若手リーダー、春風亭昇太。落語ブームのきっかけとなったドラマ「タイガー&ドラゴン」へ出演し、落語の監修をつとめた彼の落語は独創的で、新作・古典を問わず高い評価を得ている。そんな彼を中心とした創作話芸協会「SWA」のメンバーとの大分公演を前に、落語への想いを聞いてきました。
ー落語を始めたきっかけは何ですか?
僕は落語に全く興味なかったんですが、大学時代に入りたいサークルの隣の部室が落語研究会だったので、そのまま入ったんですよ。
ー(笑)どうして入ることになるんですか?ちなみに入りたかったサークルは?
ラテンアメリカ研究会に入ろうとしたら、そこが留守だったので、隣の部室でちょっと待たせてもらったのが落語研究会。そこの先輩達がすごく面白くて、その人達の方がラテンっぽかったからですかね。
ー昇太さんが理想とする落語家の姿とはどういうものですか?
最終的にこうなりたいというのはないです。当然その時代にあった噺があるから、今無理して年寄りみたいな喋り方もしたくないし、かといって若い人みたいな喋り方もしたくない。今の僕にしかできない噺を順番にやっていけばいいと思っています。だから今をどうやっているかが大事なんだと思います。

ー今度の公演はSWAのメンバーと一緒ですが、SWAの活動とはどういうものですか?
SWAでは年間15本ほどみんなで新作を共作しています。新作落語が古典落語に対し劣っているところがあるとするなら、古典落語はたくさんの噺家の手を通してきたので、噺自体が練られていてバランスがいい所なんです。新作は1人で作るので噺が原石の状態で、それを磨いて練ることに時間がかかるなら、最初から何人かの手を介し時間短縮をしましょうという試みをSWAでやっています。
ー噺家さん同志で集まって作るって楽しそうですが、大変そうでもありますね。
そうですね、でもすごく刺激的です。作る作業でストレスをためて、発表の時に、ウケることでストレスを発散させていますね。
ー昇太さんは新作落語をされているイメージが強いですよね。
古典落語はものすごく素晴らしいネタがありますが、それはそれとして僕は芸人として新しい自分のネタが欲しいんですよ。もちろん古典もやります。古典はできないと思われるのは悔しいので、賞を頂いているのは全て古典でとりましたから。
ー最近の落語ブームについてはどう思われますか?
ドラマや林家正蔵氏の襲名など、落語界にとってプラスになることが非常に多かったことと、やっぱりいい落語家が増えたことだと思います。昔よりもバラエティに富んだ演者が揃っているから、お客さんが落語家をチョイスできる時代になったんだと思います。
ー落語初心者の方へ「落語のススメ」を教えてください。
先入観を持たず、気楽に聞いて下さい。昔の古典落語好きな人は、周りの人にわざと落語を難しく教える人が多いんです。この人はこの人のお弟子さんだから、こんな噺が得意だとかね。ホントはそんなことはどうでもいいんです。落語家は一人一人が劇団みたいなもので、劇団ってそれぞれやり方が違いますよね、それと同じなんです。だから落語を聞いてつまらないと感じたら、その落語がつまらないのではなく、その落語家がつまらないんです。落語は噺家の力量で面白さが変わりますから。
ー確かに同じ噺をいろいろな噺家さんで聞いたらいいといいますよね。
一度好みに合う落語を聞いてもらえれば、落語の面白さがわかると思うんです。あと今はテレビやパソコンで目から入ってくる情報が多い時代なので、逆に自分で想像する落語っていいと思うんですね。今のテレビの作りって、いかに分かりやすく見せるかなんだと思うんです。日本語でしゃべっていても下にテロップが入りますからね、どれぐらいわかりやすいんだって(笑)。だからそういう意味でいうと、脳のリハビリになりますよね。それに笑いは免疫効果を高めると医学的にも証明されていますから、脳のリハビリと免疫力のアップに落語を!って感じですかね(笑)。
ー(笑)健康にいい娯楽ですね。では最後に大分で待ってる皆さんに一言お願いします。
今回のメンバーは古典も新作も両方できる非常に面白いメンバーが揃っているので、ぜひ一度生の落語を聞きに来てください。
落語初心者の人にも自信をもってオススメできる昇太師匠の落語、ぜひ聞いてみてください。夏バテ気味の疲れた体が、大笑いで免疫力がアップし、スッキリ爽快になるはずです。

