Vol.67 2015 WINTER

emo INTERVIEW

音楽の本質にふれる
ジュニアオーケストラの演奏に期待!

山下 一史 さん(指揮者)

 2015年3月に開催されるiichiko グランシアタ・ジュニアオーケストラ第6回定期演奏会で指揮棒を振るのが、第3回定演で指導していただいた山下一史さん。山下さんに、今回の演奏会に向けての期待と意気込みをお伺いしました。

3年振りの定期演奏会ですが、今の率直なお気持ちをお聞かせください。

山下 「前回は初めての演奏会でしたが、みんなよく頑張っているなという印象でした。演奏も、とてもよかった。今回の共演も楽しみです」

山下さんたちプロの音楽家にとって、ジュニアはどのような位置づけなんでしょう。

山下 「私たちにとってジュニアの指導は、とても意味があることなのです。というのもクラシック音楽はファンを獲得することが、なかなか難しいんですね。そこで啓蒙活動として、初めて楽器をさわる子どもたちにも、プロの音楽家が、わかりやすい指導を行っています。まずは楽器にふれ、演奏を楽しむ子どもたちが増えてもらいたいですね。そして、これを機会に音楽をずっと続けてほしいと願っています。いずれは私たちの演奏会にも足を運んでくれるようになると、うれしいですね」

山下さんが指揮者として教えていることは何でしょうか。

山下 「音楽をやるからには、その本質にふれてほしいのです。そのためには努力が必要ですし、ある種の厳しさも必要になってきます。その思いを、指導を通して子どもたちに教えたいのです」

山下さんがおっしゃる“本質”とは、どんなものか、具体的にお聞かせください。

山下 「クラシック音楽はいわば再現芸術です。今回の演奏予定曲はチャイコフスキーの『くるみ割り人形』『交響曲第4番』『弦楽セレナーデ』ですが、この演奏を聴いて純粋に『素晴らしい!』と思ったとき、それは作品の本質にふれているということになります。チャイコフスキーの“想い”を感じているのです。これは数多く演奏活動をしていけば、わかってきます。この素晴らしい経験をたくさんしてきた僕たちが、ジュニアに教えることに意義があるのです。音楽の本質にふれる瞬間の感覚は、プロの演奏家でなければ教えられないと思います」

ジュニアオーケストラへの参加は貴重な体験ですね。

山下 「とても貴重です。また、子どもの頃から、ひとつのことに打ち込むことは大切です。ましてやジュニアオーケストラは小学生から大学生まで一緒に活動しています。小さい子の面倒をみたり、大人とのつながりが生まれたり、そこに小さなコミュニティが成り立っているので、大人になって必要な社会性も学べます」

大分で頑張っている子どもたちにエールをお願いします。

山下 「大分の子どもたちは、豊かな自然の中で育ったおかげなのか感受性が強く、非常に純粋で、心も暖かい印象がします。それでいて一生懸命。今回の演奏会も、そんな彼らが奏でる純粋なオーケストラになることを期待しています」

Profile

 1984 年、桐朋学園大学卒業後、ベルリン芸術大学に留学。86 年ニコライ・マルコ国際指揮者コンクールで優勝。85 年12 月からカラヤンのアシスタントを務め、ベルリン・フィル演奏会で急病のカラヤンの代役としてジーンズ姿のまま「第九」を指揮し話題となる。以降、アンサンブル金沢プリンシパル・ゲスト・コンダクター、九響常任指揮者などを歴任。現在、オペラ、オーケストラの両面において着実な成果を積み上げている指揮者として、ますます注目を浴びている。

公演名iichiko グランシアタ・ジュニアオーケストラ 第6回定期演奏会
日時3月29日(日) 開場13:15 開演14:00
会場iichiko グランシアタ
曲目組曲「くるみ割り人形」作品71a/弦楽セレナーデ作品48/交響曲第4番 ヘ短調 作品36
料金一般1,000円 高校生以下500円(全席自由) 未就学児無料 ※3歳以下入場不可

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