Vol.66 2014 AUTUMN

ジョン万次郎とミュージカルの旅へ

この秋、劇団四季のファミリーミュージカル『ジョン万次郎の夢』が一iichikoグランシアタで上演されます。ファミリーミュージカルとは、文字どおり家族そろって楽しめるミュージカルのこと。生の舞台に触れる機会の少ない子どもたちの為、劇団四季が、そのノウハウを活かし、取り組んできたジャンルです。人気、実力ともに日本屈指と誰もが認める劇団四季が繰り広げる舞台を、どうぞお楽しみください。

夢と勇気があふれる舞台が待っている

 劇団四季の『ジョン万次郎の夢』は、同劇団創設者の一人である浅利慶太の台本・構成・演出によるもので、1974年に初演され、今年でちょうど40年目を迎えます。名ダンサーの加藤敬二が日米両国の特徴を取り入れた振り付けなど見どころは満載ですが、子どもたちには『それいけアンパンマン』の作曲でおなじみの故・三木たかしの音楽が耳になじみやすいかもしれません。たとえば劇中にも登場する『キラキラ星』のメロディに乗せて『ABCDEFG〜』と歌うアルファベットの歌は、実は万次郎が日本に初めて紹介したもの。このほか船の甲板でモップを片手に繰り広げるダンスや、歌舞伎の手法を取り入れた難破シーンなどの連続に、大人も胸を躍らせます。鎖国から開国へと向かう幕末の流れと当時の人たちの心を、音楽とダンスでテンポよく表現する『ジョン万次郎の夢』を、ご家族そろってお楽しみください。

ジョン万次郎役 梅津 亮さん

夢をあきらめない 勇気と信じる心を

 劇団四季のファミリーミュージカル『ジョン万次郎の夢』の公演が、いよいよ迫ってきました。全国ツアーとしては八年ぶり。そしてこの演目の選定には、作者でありプロデューサーであり演出家である浅利慶太氏の意向が大きく反映されているといいます。今の時代だからこそ、ジョン万次郎……。その意味するところとミュージカルの見どころ、さらには大分公演にかける思いを、主役のジョン万次郎を務める梅津亮氏に聞いてみました。

自分自身をジョン万次郎に重ねる

 劇団四季といえば、『キャッツ』や『ライオンキング』などが有名ですが、その一方で、小学校六年生の鑑賞を前提としたファミリーミュージカルを、長きにわたって創作上演してきました。今回、グランシアタで上演される『ジョン万次郎の夢』も、そのうちの一本です。

 「よく知られているように、ジョン万次郎は漁の途中で遭難し、無人島に漂着しているところをアメリカ人に助けられます。そしてその恩人であるホイットフィールド船長夫妻に本当に親切にしてもらい、養子にまでなります。今の時代では到底考えられないことですよね。でも考えてみれば、今ほど、他者に手を差し伸べるという気持ちを世界中の人々が持つ必要がある時代はないのではないでしょうか」

 そう話す梅津氏ですが、このジョン万次郎の物語が自身初の主演となることに、機縁を感じているのだそうです。「ジョン万次郎の一番すごいところは、不屈の精神です。八年間の米国生活を経て日本に帰った万次郎の『あきらめない』気持ちは、勝海舟をはじめとした周りの人間を巻き込み、日本という国と日本人の心を世界に向かって開くという彼自身の『夢』を実現しました。僕も、入団するまでは、会社勤めをしながらアマチュアの劇団で活動し、いつかプロの舞台に立つことを夢見ていました。ですから、夢をかなえるイコールあきらめないということはとてもよく理解できるし、ここは自分の人生にも重なる部分です」

舞台の見どころは?

 劇団四季の大分公演は本作品で8回目。『ジョン万次郎の夢』は、誰にでも馴染み深いお話であることもポイントです。

 「親子で観ていただくにも最適な内容となっています。一方で、歴史考証や風俗考証を徹底的に行い史実を忠実に再現していますから、歴史好きの方にも見ごたえがあると胸を張れます」

 もちろん劇団四季のミュージカルであるからには、その舞台装置も、リアルで手の込んだものが期待できます。

 「『ジョン万次郎の夢』においては嵐のシーンがとても重要になるのですが、その舞台演出には徹底的にこだわっています。たとえば嵐の波は、一枚の布を動かすことによって表現し、これはすべて人力です。こうした演出は四季の伝統でもありますし、ぜひ注目していただきたい。また、咸臨丸の船のセットをそのまま舞台に持ち込みます。大規模なものなので、地方公演では搬入できる会場と不可能な会場がありますが、幸いiichikoグランシアタは搬入可能であり、そうした点では、大分の皆さまに、本格的な感動を味わっていただけると確信しています」

大分と『ジョン万次郎の夢』の共通点

 ところで梅津氏は、北海道生まれ。大分を訪れるのは、初めてとのことです。

 「大分といえば、やっぱり温泉ですよね。できればいろいろ訪ねてみたいと思い、現在リサーチ中です(笑)」

 梅津氏によれば、大分と『ジョン万次郎の夢』には共通点があると話します。「『ジョン万次郎の夢』は、観た後に、あたたかな気持ちになれるミュージカル。出てくる人物がみんな、日本人もアメリカ人も、とてもあたたかい。これは大分の方たちが、とてもよく知っている感覚−つまり温泉に浸ってほっこりとなる、それと同じような気分が味わえるミュージカルなんですよ」

 見終わったあと、笑顔で感想を話し合う観客の皆さんの姿が目に浮かんできそうです。

うめつ・りょう/北海道生まれ。
高校時代に『キャッツ』に出会い、四季の舞台の観劇を重ねていくうちに、俳優を志す。2010年10月オーディション合格。『ライオンキング』で四季での初舞台を踏む。これまで、『ライオンキング』のアンサンブルや『ジョン万次郎の夢』の勝海舟役など。

【ものがたり】
 土佐の国(現在の高知県)の漁村で育った14歳の万次郎は、初めての漁で嵐に巻き込まれ遭難してしまいます。なんとか無人島にたどりついたところを助けてくれたのは、偶然通りかかったアメリカの捕鯨船でした。言葉はわからなくても、握った手はあたたかい、万次郎はもっと外国のことが知りたくなり、船長と一緒にアメリカへ渡ることにしました。アメリカに暮らして8年が過ぎ、万次郎は「いつまでも鎖国を続ける日本を開かねば」と考えるようになります。鎖国の日本に戻るのは命がけです。しかし万次郎は信じていました。「あきらめなければ、夢は必ず叶う」。果たして万次郎は、閉ざされた日本の扉を開くことができるのでしょうか…。

公演名平成26年度文化庁劇場・音楽堂等活性化事業
劇団四季ファミリーミュージカル ジョン万次郎の夢
日時2014年10月24日(金)
時間開場18:00 開演18:30
会場iichiko 総合文化センター iichiko グランシアタ
料金S席4,000円 A席3,000円 B席2,000円
※3歳以上有料(要チケット)※3歳未満入場不可
チケット取扱
iichiko総合文化センター 1F インフォメーションTEL 097-533-4006
iichiko総合文化センターホームページhttp://www.emo.or.jp/
劇団四季予約センター(午前10畤〜午後6時)TEL 0120-489-444
チケットぴあ(セブンイレブン各店)
(Pコード:438-131)
TEL 0570-02-9999
ローソンチケット(ローソン各店店)
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主催・お問合わせ(公財)大分県芸術文化スポーツ振興財団 TEL 097-533-4004

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