Vol.63 2014 WINTER

伝統芸能いろはガルタ もう食わず嫌いとは言わせない!

第7回 浄瑠璃
― Joruri ―

今年度は文楽「素浄瑠璃」をワンコインで愉しめる企画をご用意!なんだか難しそう、敷居が高そう…と思わず身構えてしまいがちな浄瑠璃の世界ですが、そこに描かれているのは“人間の本質”。人間本来の姿や人情がこまやかに描かれていて、現代の若い人たちにも共感を呼ぶことができるのです。

人形浄瑠璃と素浄瑠璃の違い

 人形浄瑠璃とは、舞台上手の浄瑠璃の音楽に合わせて舞台の中央で、「人形劇」を行うものであり、素浄瑠璃とは、人形浄瑠璃の「人形」を取り除いて、浄瑠璃だけを見せましょうという公演。舞台にいるのは義太夫節を語る太夫さんと三味線弾きさんだけ。浄瑠璃の詞章が劇中の人物の台詞、心理や仕草をうまく描写してくれます。視覚に頼らない想像による鑑賞を愉しんで。

太夫と三味線

 太夫は、登場人物のすべてのセリフだけでなく、その場の情景から事件の背景の説明までを1人で語り、しかも、その人物の心を表現することが最大の目的となります。三味線には、太棹、中棹、細棹の3種がありますが、今回の素浄瑠璃で登場する太棹が一番大型で音が低くて大きいため、腹から声を出す義太夫節に使用され、力強い音色を聞かせます。太夫が人物の心を表現することを大切にしているように、義太夫節の三味線は、他の音楽の伴奏とは違って “心を弾く”ことを大切にしています。

今回登場するのはこの2人!

 素浄瑠璃を披露してくれるのは、99年に「因協会奨励賞」を受賞、02年から3年続けて「文楽協会賞」を受賞するなど、音色と技巧で魅了する三味線弾きのひとり鶴澤清志郎と、13年「国立文楽劇場文楽賞」「文楽奨励賞」を受賞するなど注目の豊竹靖大夫(太夫)です。素晴らしい美声と息のあった三味線との謡いをお楽しみに。

「同じものをやり続けているのに、新鮮な気持ちでやれるのは、作品にそれだけの力があるから。“日本人っていうのはこういう人種だった”という、ひとつの答えがここ残るんじゃないかなと思います。きっと何かしら、観ていただいたら光るところがあるはず。芸術みたいな扱いにされてますけど、これは言ったら大衆芸能ですね。(鶴澤清志郎)」

公演概要

平成25年度 劇場・音楽堂等活性化事業
ワンコインリレーコンサート 〜素浄瑠璃〜

[公    演]御所桜堀川夜討 弁慶上使(ごしょざくらほりかわようち べんけいじょうし)の段
[日    時]2014年2月25日(火)18:00 開場/18:30 開演/20:00 終演
[会    場]iichiko 音の泉ホール
[出    演]豊竹靖大夫(太夫)、鶴澤清志郎(三味線)
[演    目]全席指定500円
[お問い合わせ](公財)大分県芸術文化スポーツ振興財団 097-533-4004
REPORT

平成25年度 劇場・音楽堂等活性化事業

邦楽のススメ! 聲明
(しょうみょう)

2013年12月16日(月)
iichiko グランシアタ 舞台上

仏教の儀式に際し、経文に旋律抑揚を付けて唱える仏教声楽曲・聲明(声明)は、仏、菩薩、神々を賛美する歌曲として、僧侶によって詠われます。今回そんな貴重な聲明の世界を『iichikoグランシアタ』の舞台上で披露してくれたのは、「天台宗九州東教区仏教青年会」の皆さんでした。普段このようなホールで間近で聴く機会のない聲明ですが、聴衆は独特な調子に耳を傾け、聴き入っていました。また「聲明体験」などもあり、一緒に歌うことの楽しみやそこから生まれる声のエネルギーも体感してもらいました。

音楽の先生からススメられて、今回の伝統芸能に参加したという音楽科の仲良し6人組。「日ごろ聴いてる音楽と違って、仏教音楽(聲明)は声の響きが素晴らしくとても勉強になりました。次回も機会があればまた聴きに行ってみたいです」と、神秘的な世界に触れて感動していました。

大分県立芸術緑丘高等学校の皆さん
(大分市、臼杵市、速見郡日出町)

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