Vol.59 2013 WINTER

伝統芸能いろはガルタ もう食わず嫌いとは言わせない!

第3回 文楽

 今年度の文楽は、"ワークショップ"というカタチで行います。しかも、会場はiichikoグランシアタの舞台上!普段の客席からではなく、演者の目線で伝統芸能を体感できる、またとない機会です。そして当日をもっと楽しむために、このコーナーでは読んで役立つ"予習本"をご紹介しながら、文楽のいろはを学んでいきましょう。

文楽とは「三位一体」の芸術

 「人形浄瑠璃」とも呼ばれる文楽は、今から約300年以上前に誕生しました。〈太夫〉が語る特徴的な唄い方(浄瑠璃)に、〈三味線〉の伴奏をつけ、歌舞伎のように人が演じるのではなく〈人形〉に演じさせるという芸術。2003年には、世界無形文化遺産に登録されました。〈太夫〉〈三味線〉〈人形〉の3つの息がぴったり融合した舞台なので、文楽は「三位一体」の芸術と呼ばれています。3月のワークショップでは、そのうち〈太夫〉である豊竹 咲甫大夫さんと、〈三味線〉の鶴澤 清志郎さんという今をときめく2人が登場します。豊竹 咲甫大夫さんがどんな方か、彼の著書で知ることができるので要チェック!

■豊竹咲甫大夫と文楽へ行こう
豊竹咲甫大夫/著 発行:旬報社

3月のワークショップに登場する豊竹咲甫大夫の著書なので必見! 文楽の解説から名作ガイドをはじめ、ご本人のプライベートな素顔が垣間見れる一冊。

とどのつまりは人間ドラマ!

 文楽は、現代の映画や演劇などと同じような、人間のドラマを見せてくれます。家族や親子の愛、義理人情、はたまた恋バナ…何百年も前に誕生した文楽は、現在を生きる私たちにも通じる"心"を教えてくれます。今も昔も変わらない大切なものを残していくって、すばらしいと思いませんか? ただ、太夫のセリフが、独特のいいまわしなので初心者には聞き取りづらいという声をよく聞きます。そんな方には、イヤホンガイドがありますのでご心配なく。また、事前に解説本であらすじを知っておくと、盛り上がりどころがわかるので、予習はおすすめです。

■文楽の女たち(左)
大谷晃一/著 発行:文藝春秋

ユニークなヒロインが登場する文楽の演目を12個とりあげて、その生きざまを追いながら見どころを解説している本。時代を越えて恋に生きる女性たちに心惹かれます。

■文楽のツボ(右)
葛西聖司/著 発行:NHK出版

当財団の「人間国宝シリーズ」でもおなじみ、葛西聖司さんによるエッセイ。こよなく伝統芸能を愛する葛西さんが、名作をたっぷり解説してくれます。

有名人もハマッている文楽鑑賞

 テレビやラジオで、歌舞伎といえば〇〇さん、宝塚といえば〇〇さん、というように、芸にハマッている有名人の話をよく聞きますよね。文楽もしかり。あの小説家が!? という方がエッセイを綴っているんです。代表的なのは、『三毛猫ホームズ』シリーズの赤川次郎さんや、『風が強く吹いている』の三浦しをんさん。鋭い視点から書かれているのはもちろん、"本当に好きで楽しんでいる"というリアルな感じが面白い。ならば自分も舞台を見てみようかしら…という気軽な気分にさせてくれます。図書館でも借りられますので、ぜひ一読を!

■人形は口ほどにものを言い(左)
赤川次郎/著 発行:小学館

「こんなすばらしいものがある、ということを、少しでも若い世代の人たちに知ってもらいたい。」(あとがきより)。様々な切り口から文楽を鑑賞した著者によるエッセイ。

■三毛猫ホームズの文楽夜噺(中)
赤川次郎/著 桐竹勘十郎/監修 発行:角川書店

太夫の豊竹咲太夫、三味線の鶴澤清介、人形遣いの桐竹勘十郎との対談を集約した本。ほか、床山など裏方さんとの対談もあり、ウラ話までたっぷり楽しませてくれる。

■あやつられ文楽鑑賞(右)
三浦しをん/著 発行:ポプラ社

楽屋探訪をはじめ、大好きな世界に近づく…そのミーハー心をくすぐるエッセイ。文楽に"あやつられ"た著者のリアルな経験談に、読み終わるとこっちもあやつられそう!

祖父は文楽三味線の二世鶴澤道八。弟の鶴澤清馗(せいき)とともに文楽界入り。
ともに若手実力派として注目を浴びているスゴイ人なのです。

PROFILE
太夫
豊竹 咲甫大夫(とよたけ・さきほだゆう)

1975年大阪市に生まれる。83年に豊竹咲大夫に師事し、豊竹咲甫大夫と名乗る。翌年文楽協会研究生となり、初舞台は86年、国立文楽劇場「傾城阿波の鳴門」の"おつる"。以後「第32回文楽協会賞」「大阪舞台芸術新人賞」など数々の受賞があるほか、テレビ・講演会・執筆など多ジャンルにわたって活躍中。

床でキリッと一点を見つめて演奏する姿が「美しい!」と通の間でも評判。

PROFILE
三味線
鶴澤 清志郎(つるさわ・せいしろう)

1974年長野県に生まれる。92年に国立劇場文楽第15期研修生となり、94年に鶴澤清治に入門、清志郎と名乗る。同年、国立文楽劇場で初舞台を踏み、99年に「因協会奨励賞」を受賞。02年から3年続けて「文楽協会賞」を受賞するなど、注目すべき三味線のひとり。

公演概要

Touch The Japanese Culture 邦楽ワークショップ
第3回「文楽・素浄瑠璃」

[日 時] 2013年3月6日(水)開演 18:00/終演 20:00
[会 場] iichiko グランシアタ 舞台上
[講師・出演] 太夫:豊竹咲甫大夫、三味線:鶴澤清志郎
[定員] 100名程度
[参加料] 高校生以下無料、保護者500円、一般1,000円
[申込方法] ①iichiko総合文化センター1Fインフォメーションにてチケット購入。
②Eメールで、件名を「邦楽ワークショップ」とし、
 代表者氏名・参加人数(うち高校生以下の人数)をご記入のうえ、
 emo-info@emo.or.jp 宛に送信。

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