Vol.59 2013 WINTER

iichiko presents 岡田知之パーカッションアンサンブル

iichiko presents 岡田知之パーカッションアンサンブル

 打楽器だけの演奏会と聞いて皆さん何を想像されるでしょうか? マリンバ(*1)やグロッケン(*2)などの鍵盤楽器の美しい旋律、太鼓や民族楽器によるリズミカルで迫力ある演奏、さらには楽器を使わずに体で音を出すなど、多彩な表現を持つのが打楽器アンサンブル。大分では初となる打楽器の演奏会に向けて、音楽監督の岡田知之さんと出演者の皆さんに打楽器の魅力と意気込みについてお伺いしました。

*1アフリカ起源の木琴の一種 *2「グロッケンシュピール」の略で鉄琴のこと

打楽器アンサンブルの多彩な魅力を体感!
聞くだけじゃなく目で見て楽しい、迫力満点のアンサンブル。

― 日本初の打楽器アンサンブルとして誕生し、2013年に結成50周年を迎える「岡田知之パーカッションアンサンブル」(当時は「岡田知之打楽器合奏団」)の結成のきっかけについてお教えください。

岡田 私が海外に打楽器だけのアンサンブルがあると知ったのは60年代はじめのこと。まだ日本では楽譜の取り扱いがなくて、入手するのにずいぶんと骨を折りました。ようやく届いた楽譜で仲間と演奏してみたとき、とても大きな手応えを感じました。当時、日本は戦後からようやく文化を楽しむゆとりが生まれはじめた時代でした。その流れのなかで多くの人に打楽器アンサンブルを楽しんでもらいたいと思ったのがはじまりです。

― 打楽器アンサンブルの魅力とはなんでしょうか?

田中 耳で聞くだけでなく目で見て楽しめることだと思います。例えば、手で板をたたいたり、爪ではじいたりして演奏するテーブルミュージックという音楽があります。たたき方ひとつで音の鳴り方は変わりますし、大人数で演奏したときには、その連動した動きもおもしろい。ほかにマーチングバンドをさまざまな太鼓で行う、マーチングパーカッションもあります。演奏だけでなく華麗なバチさばきや隊列移動などで構成され、パフォーマンスも華やかなステージです。こうした音とパフォーマンスを合わせた視覚的な表現ができることが打楽器ならではの魅力だと思います。
岡田 打楽器アンサンブルでは1人が複数の楽器を担当して演奏することがあります。1人で10種類の楽器を担当すれば、5人で50種類、6人で60種類……と増えていく。人数が増えれば音に幅やボリュームがでますし、音を重ねれば音色も変えられます。打楽器はたたいた瞬間にしか音が出ない刹那音の楽器ですが、それをいかに持続音として観客に届けるかは演奏者の技術次第。表現に限りがないのも素晴らしいところですね。

― 今回の公演の見所を教えてください。

山口 打楽器は種類がとても多いのが特徴です。今回もティンパニや木琴、シンバルなど、皆さんが見慣れている楽器から、珍しいアフリカの民族楽器まで、さまざまな楽器が登場します。同じ楽器でも曲が変わればまったく違う楽器のように聴こえるので、驚かれると思いますよ。
藤田 多彩なプログラムも用意しています。アフリカの民族楽器がたくさん登場する「だれもいないおひさまの店」や、各楽器のソロが楽しめる「BINGO」などのオリジナル曲もあれば、有名なバレエ音楽の「剣の舞」を打楽器だけでアレンジした演奏もあります。お客様参加型の曲もありますので、ぜひ一緒に楽しみましょう。

― 皆さん、とても温かい雰囲気でチームワークも抜群のようにお見受けしますが、秘訣は何でしょうか?

山口 秘訣といえるほど特別なことはしていません(笑)。ただ打楽器は数も多いですし、重い楽器もありますから、必然的に共同作業が多くなります。演奏会のときには大きな楽器は分解して会場で組み立てるのですが、それだけで1時間はかかります。みんなで協力して進めるので、自然とチームワークは深まっていきますね。

田中 練習や移動時間なども含めると長い時間を一緒に過ごしています。ですから体調が悪いときなどは、すぐにわかります。そういうときにみんなで声をかけたり手伝ったりと、自然と相手を思いやるようになりますね。そういったことの積み重ねが結果として連帯感につながっているのかもしれません。それに何と言っても、指導してくださる岡田先生のお人柄がこの雰囲気をつくってくださっているのだと思います。

― 皆さんから見て、岡田先生はどんな方ですか?

小柳 このアンサンブルは歴史も長く、メンバーの皆さんも先輩ばかりで、初めてこのアンサンブルに参加するときはかなり緊張していました。でも、先生が優しく話しかけてくださり、リラックスして演奏することができたんです。今も先生には温かく見守っていただき感謝しています。
平野 普段はとても優しくて陽気なのですが、レッスンのときは厳しく、演奏するときはとても凜々しい先生です。どんな大人数のオーケストラのなかでも先生が音を出すと、一瞬でそれがわかる。そのたびに先生の一音に対する情熱を強く感じて、尊敬の念を抱かずにはいられないんです。
藤田 先生は決断がはっきりしていて、どんどん新しいことに挑戦していく方です。アイデアも豊富で、楽器でないものでも「これだ!」と思ったら工夫をこらして、良い音の出る楽器に変えてしまう。毎回、先生の発想力には驚かされてばかりです。自分もずいぶん感化されて、新しいことに積極的にチャレンジするようになりました。

― そんな岡田先生が音楽監督を務める今回の大分公演ですが、意気込みをお聞かせください。

平野 打楽器というと脇役の印象をお持ちかもしれませんが、今回は全面に出て主役となります。鍵盤打楽器を使ったメロディアスな曲や、太鼓のリズミカルな曲など、打楽器アンサンブルの魅力を存分に味わってもらえるように頑張ります。
小柳 打楽器はとっても身近な楽器です。あまり詳しくないという方でも思わず体を動かしたくなるような演奏をお届けして、素敵な時間を共有したいと思います。ぜひ聴きにいらしてください。
岡田 今回、私は音楽監督としての参加になりますが、彼女たちの息の合った演奏で打楽器アンサンブルの世界を存分に堪能していただきたいです。

  • ティンパニ

    半球の胴体に皮を張った太鼓の一種。大きさもさまざまで、複数を1人で音程を変えながら演奏。

  • マリンバ

    「たくさんの木の棒」という意味の、アフリカ発祥の鍵盤楽器。「ポロン、ポロン」という温かみのある音色が特徴。

  • スティールパン

    ドラム缶から作られる異色の楽器。中は凹凸があり、叩く位置によって音が変化し、1つで多彩な音を奏でます。

  • ジャンベ

    中をくり抜いた木と羊皮を使ったアフリカ楽器。素手で叩いて音を出す、アフリカンダンスには欠かせない楽器。

  • チャイム

    教会の鐘の代用として考案。金槌の形をしたバチを使って音を出す。のど自慢大会でもおなじみ。

  • ヴィブラフォン

    鉄琴の一種。共鳴管についているファンを回すことで、オルガンのような余韻のある美しい響きがします。

PROFILE
岡田知之パーカッションアンサンブル
Okada Percussion Ensemble

1975年、岡田知之打楽器合奏団(Percussion Ensemble Okada of Japan)として結成。打楽器アンサンブルのパイオニアとして世界的に認められている。これまでに世界各国で開催された万博や芸術祭に出演し、文化庁芸術祭優秀賞、芸術祭レコードアカデミー賞、音楽之友社賞など名誉ある賞を受賞。また、全国各地の学校での公演も行っている。


公演名iichiko presents 岡田知之パーカッションアンサンブル
日時2013年2月16日(土)
時間開演 14:00 終演 16:00(予定)
会場iichiko音の泉ホール
出演岡田知之パーカッションアンサンブル
※岡田知之は音楽監督であり、出演者ではありません。
演目3×3、剣の舞、カルメン前奏曲 ほか
料金【全席指定】
S席4,000円、A席3,000円
※高校生以下半額
お問合わせ(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL:097-533-4004

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