Vol.58 2012 AUTUMN

[オペラ]

第14回大分県民芸術文化祭閉幕行事
オペラ「魔笛」
大分県民による、大分県民のためのオペラ

 2012年の県民芸術文化祭フィナーレを飾るのは、大分二期会のメンバーを中心に、大分にゆかりのあるメンバーでお届けする「魔笛」。モーツァルトが約200年以上も前に書いたメルヘンティックな冒険ラブストーリーに、"大分らしさ"を散りばめた大作を、どうぞお楽しみに。

舞台と客席の両方で、
オペラ的空間が満たされる

INTERVIEW 演出家 中村 敬一(なかむら・けいいち)

― 今回のメンバーと、初対面の時の印象は?

 大分県民オペラ「吉四六昇天」以来、久しぶりに自分たちで一からつくるオペラになると思いますが、みなさん、とても前向きに取り組んでくださっています。
オペラは華やかですが、実は、製作の過程には非常に地道な作業があります。それを丁寧に準備してくださっていたので、私も安心して仕事場に入ることができました。

― どんなステージを考えていらっしゃるのでしょう!?

 何しろ、35歳で亡くなったモーツァルト、最晩年の作品です。しかも彼が唯一、貴族のためにではなく、一般の人々のために書いた作品なんですね。そういう意味で言うと、堅苦しくないオペラ。ベースになっているのはまるでおとぎ話のような、空想に満ちたお話なんです。初めてオペラを見る方には、「敷居が高いのかな」と思うことなく楽しんでいただける作品に仕上げたいと思っています。

― 大分らしい演出も登場すると聞いています。

 由布高校郷土芸能部の神楽との出会いがあり、幕開けで登場してもらいます。主人公の王子・タミーノがこのお話に出てくるとき、ヘビに追い立てられてくるのですが、このヘビが神楽の大蛇になります。他にも、セリフのいくつかに大分らしいものを盛り込んでいますが、それは本番まで秘密です(笑)

― ちなみに、中村先生お気に入りのキャラクターは?

 やっぱり、主役ではありませんが、とても面白いのはパパゲーノ。鳥でもなく、人間でもない"鳥のような出でたちをした"と書かれてある。現代で、例えば映画「スターウォーズ」の世界にもでてくるような架空のキャラクターを、モーツァルトのあの時代に、もくろんで書いたというのが面白い。見た目は奇抜な格好をしていますが、その中に、人間の内面、弱さや勇気が隠されています。

― 最後に、大分の皆さんにメッセージを!

 iichikoグランシアタは、オペラが上演できるよう、オーケストラピットのほか本格的な機能を備えたすばらしいホールです。その空間を、大分発信のオペラが埋めることになります。舞台上のスタッフと、客席につめかけてくださった人々の両方がそろって初めて、このオペラ的空間を満たすことができるはずです。それを楽しみに見に来ていただきたいと思います。

中村 敬一 PROFILE
中村 敬一(なかむら・けいいち)

なかむら けいいち/文化庁派遣在外研修員としてウィーン国立歌劇場にて研修。1995年、ジローオペラ、新人賞受賞。2000年には新国立劇場デビュー。2001年、大阪舞台芸術奨励賞受賞。国立音楽大学客員教授、大阪音楽大学客員教授、大阪教育大学講師、沖縄県立芸術大学講師。


公演名第14回大分県民芸術文化祭閉幕行事 オペラ「魔笛」
〈字幕付き原語上演・台詞日本語〉
日時 2012年11月23日(金・祝)14:15開場/15:00開演/17:30終演
会場iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ
演出中村敬一
指揮森口真司
出演行天祥晃、清家麻衣 ほか
料金S席5,000円、A席4,000円、B席3,000円、自由席(一般)2,000円
(学生※25歳以下)1,000円
お問合わせ(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL:097-533-4004

≪目次へもどる