Vol.56 2012 SPRING

花組の魅力は華やかさ
咲き誇るような舞台をつくりたい

INTERVIEW 宝塚歌劇団 花組男役トップ 蘭寿(らんじゅ)とむ

蘭寿とむ

― 蘭寿さんはもともと宝塚のファンだったそうですね?

 中学生のときに、友人に誘われて初めて宝塚を観ました。月組の『天使の微笑・悪魔の涙』という作品だったのですが、本当に華やかできらびやかで、こんな夢のような世界が存在するんだということにまず驚きました。観終わった後に動けないぐらいの衝撃だったんです。

 それからは、お休みの日などに始発の電車で出かけて当日券を買って観たり、舞台の台本を家で読んだりしていました。宝塚に入りたいと思ったのは、高校三年生のとき。大学に進学するつもりだったのですが、受験できる最後のチャンスだと思って、後悔したくなくて受験しました。

 実際に入ってみると、やはり芸の世界の厳しさを思い知らされました。幼い頃から宝塚音楽学校を受験するために勉強している方が多いので、自分の技術を磨くことが課題でした。宝塚音楽学校時代は、今振り返ってもあれ以上はできないと思うくらい、とにかく練習しました。ですから、初めて舞台に立ったときは、ずっと憧れていたあのステージに自分が立っているんだという喜びがわきあがってきて、鳥肌が立つくらい感動したことを今でも覚えています。

― 蘭寿さんの思う男役と、花組トップとしての美学とは何でしょうか?

 役にもよりますが、私は大前提としてかっこよく、包容力のある男役でありたいです。長い伝統を持つ花組の誇りをもっと舞台に反映していきたいですね。花組の魅力の一つは華やかさです。たとえば宝塚の醍醐味といえる男役の黒燕尾の着こなしや魅せ方、娘役の群舞の揃い方は、花組であるという意識が高いゆえに、素晴らしいものがあると思うんですね。私自身が芯をもって輝いていたいという気持ちもありますが、花組全員が個性を充分に伸ばしてキラキラ輝き、華やかに咲き誇るような舞台をつくりたいなと思っています。

 今まで、近くでトップの方の大変さを見てきましたが、いざ自分がその立場になってみて今それを実感しています。舞台、場面、役をしっかりやることは当然のこととして、時間が許す限りみんなを支えてあげることも役割の一つです。私もトップの方から頂いた一言で元気になったり、意欲がわいたりしたことが節目節目であったので、些細な変化でもみんなに声をかけたり、今が正念場だと思う子にはしっかり言ったりしています。みんなが私のことを気遣ってくれる優しさもすごく感じますし、大変だと思う気持ちよりも、何かしてあげたいなという気持ちのほうが強いですね。

― 今回の公演ではどんなところに注目してほしいですか?

 『長い春の果てに』では、心に傷を持つ脳外科医の役どころです。ある患者の死が原因で、遺体の解剖しかできなくなってしまうのですが、ピアニスト志望の少女に出会って変化していきます。さらに大人になった彼女との再会と淡い恋を描いた宝塚らしいラブロマンスです。観終わった後に、温かい気持ちになってお帰りいただける作品だと思います。宝塚の作品には珍しくお医者さんが主役なので、白衣にメガネ姿にもご注目ください。

 『カノン―Our Melody―』は、プロローグからスパンコールの華やかな衣装で、これぞ宝塚!というものを感じていただけると思います。場面ごとに大人っぽいシーンもありますし、どなたも「この曲、知ってる!」というような、一度は耳にしたことのある曲がたくさん出てくると思います。

― 地方公演ならではの魅力と、大分公演で楽しみにされていることがありましたらお教えください。

 全国ツアーでは、いつもはないアドリブを入れることもあります。お客様がアドリブに笑ってくださったり、衣装の羽根を見て大歓声を上げてくださったり、そういうお客様の生の声をダイレクトに聞けるので、私たちも楽しみにしています。大分にはあまり行ったことがないので、すごく期待しています。できたら別府温泉に行ってみたいですね。


公演名OBS開局60周年記念 宝塚歌劇花 iichiko presents 大分公演
日時2012年5月8日(火)
時間昼の部14:00開演/夜の部18:00開演
会場iichiko総合文化センター iichikoグランシアタ
主演蘭寿とむ、蘭乃はな
演目ミュージカルロマン「長い春の果てに」、
レビュー・ファンタシーク「カノン-Our Melody-」
料金S席7,000円、A席5,000円、B席3,000円 (3歳以上有料)
お問合わせ(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL:097-533-4004

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