Vol.55 2012 WINTER

ジャパネスク 〜知りたい→観たい。日本の伝統芸能〜

初めてでもこれで完璧!
改めましての文楽解説

情感たっぷりの人形に魅せられて、実は今、"文楽ファン"が急増中なんです。今回は、文楽を観たことがある人も、そうでない人も、改めて文楽のことがよくわかる誌上レクチャーをお届けします。



実は、大分と深〜い関係が!!
世界遺産にも認定された日本の文化
 文楽は、人形浄瑠璃とも呼ばれますが、そのルーツは室町時代に遡ります。当時、『平家物語』に琵琶で伴奏をつけて弾き語りする「平曲」がもてはやされました。いくつもある「平曲」の中で、源義経の恋を題材にした〈浄瑠璃姫十二段草紙〉という曲が流行。その特徴的な唄い方を「浄瑠璃」と呼ぶようになります。 浄瑠璃には琵琶でなく「三味線」の伴奏をつけ、いつしか人形芝居と合わせて演じるようになるのですが、このスタイルを「人形浄瑠璃」=文楽として確立させたのが、竹本義太夫という人物です。徳川綱吉が江戸を治めていた1685年、大阪でのことでした。
 竹本義太夫は、語り手であり、名プロデューサーでもありました。そんな義太夫はある日、近松門左衛門という有能な脚本家と組みます。人形浄瑠璃の演目には政治や歴史を取り上げるという常識を破り、近松は庶民に身近な話題を扱うと、たちまちこれが大流行。テレビも映画もない遠い昔のこと、文楽は大きな娯楽として世間に浸透し、現代まで脈々と受け継がれてきたのです。2003年、文楽はその芸が世界から高く評価され、世界無形文化遺産に指定されました。
 ちなみに「人形劇」の発祥には、中津市の古要(こよう)神社に現存する「傀儡子(くぐつし)人形」が関係しているとか。宇佐神宮に人形戯を奉納するもので、日本最古の人形芝居だと言われており、これが瀬戸内海を渡り関西方面に伝わったという説があるのです。
太夫、三味線、人形遣い。
文楽とは「三業一体」の芸術
 浄瑠璃、三味線の伴奏、人形芝居。文楽はこれらが合わさって生まれました。正式には、語る人を「太夫(たゆう)」、伴奏する人を「三味線弾き」、人形を操る人を「人形遣い」と呼びます。この3つがぴったり融合するので、文楽は「三業一体」の芸術と呼ばれます。客席から舞台を眺めてみると、こんな風。それぞれの役割は?
芝居を100%楽しむために!
感動のラストが待っています
 初めて文楽を観に行ったところ「太夫の語りが聞き取れなかった」という声もちらほら。鑑賞前には、物語のあらすじを把握しておくとよいでしょう。昼の部では、2人の息子への愛に揺れる母が主人公の、愛と義の物語「双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)〜八幡里引窓の段」と、油屋の娘「お染」と奉公人「久松」の恋物語「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)〜野崎村の段」を。夜の部では、臼と杵をかついで町を歩いてまわる仲良し夫婦が、賑やかな掛け声に合わせて団子をつくる楽しい物語「団子売」、そしてめまぐるしく変化する心情変化が見どころの「摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうがつじ)〜合邦住家の段」をお贈りする予定です。詳しいあらすじは、iichiko総合文化センターホームページの文楽特集ページや公演チラシなどでご覧ください。
大筋を理解し、本番でじっくり太夫の語りと人形の表情やしぐさに注目してください。情景や人の感情の変化がスルスルとわかってくるはずです。知識を持って臨むと臨まないのとでは楽しさが全く違います。ぜひ、予習して会場へお越しください。

[第4回 文楽] 文楽広報計画中

 文楽を担当することになって、初めて文楽を知りました。生まれも育ちも大分で、文楽なんて、普通の生活には馴染みも、あの頃の教科書にも出てきません。
 さて、文楽を見始め、一番気になるのは物語、セリフを語る太夫の表情。顔が伸び縮む、時には汗だくで語る太夫。多くの文楽ファンは「人形」を見ていようが、床(太夫、三味線が座る上手舞台)に注目です。しかし、人間国宝・竹本住大夫様の語りを聞いた時、すんなり舞台中央の人形に目がいってしまったのです。このことを知人に告げると的を得ていたよう。
 それにしても文楽は見所いっぱいですが、客足今一つ。その打開策はNHKの朝ドラしかないと祈念中。昨年の文楽レクチャーで、吉田玉佳さんが語ってくれた師匠を思う話―等々。文楽の師弟、夫婦、人間関係は、大阪人ならではの笑いと情が満載のいい話盛沢山です!!

人形浄瑠璃 文楽
日時 2012年3月2日(金) 昼の部13:30開演 夜の部18:00開演
会場 iichiko 音の泉ホール
演目 昼の部/双蝶々曲輪日記〜八幡里引窓の段、新版歌祭文〜野崎村の段
夜の部/団子売、摂州合邦辻〜合邦住家の段
料金 A席4,000円、B席2,000円、C席1,000円
主催・お問い合わせ/
(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL097-533-4004

文楽レクチャー

Viva 文楽! 葛西聖司の鑑賞講座
日時 2012年1月14日(土) 14:00〜16:00
会場 iichiko Space Be 映像小ホール
料金 500円
文楽紹介映像 鑑賞会(無料)
日時 2012年1月14日(土)
①11:00〜 ②12:00〜 ※各30分程度
会場 iichiko Space Be 映像小ホール
料金 無料

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