Vol.55 2012 WINTER

命の尊さ、生きることの素晴らしさ。舞台を通して伝えたい
    劇団四季オリジナルミュージカル ユタと不思議な仲間たち
    INTERVIEW
    劇団四季 俳優 菊池 正

 劇団四季に入団して20年あまりのキャリアを持ち、『ユタ…』ではペドロという座敷わらしの親分役を演じる俳優の菊池正さん。東北出身で、この物語への思い入れも強いという彼に、この舞台の見どころをたっぷりお伺いしました。

劇団四季オリジナルミュージカル ユタと不思議な仲間たち
― 『ユタと不思議な仲間たち』は、東北の山奥にある村が舞台。豪華で華やかなミュージカルのイメージとは少し違いますが、日本と海外、それぞれを舞台にした作品を演じる上で違いはありますか?
 海外のものと比べてという意味では、特に違和感はありません。ただ、この作品は、全編が東北弁。僕自身は岩手県の出身なので方言も理解しやすいのですが、土地によっては少し言葉の壁があるかもしれませんね。でも「命の尊さ」や「生きることの素晴らしさ」といった伝えたいメッセージがすごくはっきりした作品です。日本のものだけに、やはり日本人の心にはストレートに響くのではないでしょうか。
― 勇太(ユタ)と仲良くなる座敷わらしの親分のペドロ役、演じていかがですか?
 いやぁ、難しいですね。ここに出てくる座敷わらしは、生きたくても生きることを許されなかった、いわゆる間引きされた子どもの精霊です。ユタに対して語るだけでなく、他のわらしたちをリードしながら、その深い哀しみを表現しなければならない。これは本当に難しい、何回やっても毎回が課題だらけですね。
劇団四季オリジナルミュージカル ユタと不思議な仲間たち
― この作品の見どころや菊池さんが気に入っている場面、好きなセリフがあれば教えてください。
 見どころは、すべてです(笑)。しいて挙げるならば第一幕のラストの場面。ユタが座敷わらしたちと仲良くなり、本当はお父さんのいる天国に行きたいと思ったこともあるんだと打ち明けるシーンがあります。そこで、座敷わらしのペドロが「生きているだけでも素晴らしいことなんだよ」と説くところ。そこに込めたメッセージを少しでも多くの人に感じてもらえたら嬉しいですね。気に入っているセリフは…そうですねぇ(舞台上のセリフのように感情を込めて)「小夜ちゃん…」(笑)。設定としては何百年も昔の人なんだけど、現実世界に生きる小夜ちゃんに恋心を抱いてつぶやく、あのセリフが好きですね。
― 震災後に東北各地を巡った応援プロジェクトにも参加されていますね。
 どの会場でも、到着したらまず黙とうから始めました。学校の体育館に設置した簡単なセットだけの舞台。行く前は、いったいどんなステージになるのかと不安でしたが、子どもたちがすごく喜んでくれて、元気だったことに救われました。一人になると泣いたり、寂しがったりする子どもたちも多いと聞きましたが、ステージを観ている間だけでも、笑ったり、盛り上がったりしてくれたのがとても嬉しかったですね。震災後は特に「生きることの素晴らしさ」というテーマの重さを痛感。舞台を通して少しでもメッセージが伝わればいいなと思っています。
劇団四季オリジナルミュージカル ユタと不思議な仲間たち
― ミュージカルは、歌に踊りにお芝居にと稽古も大変でしょうが、俳優さんにとって一番のモチベーションは何ですか?
 精神的にも体力的にもキツいなぁと思うことはザラ。でも、客席からの反応や終わった瞬間の拍手。これが最高の充実感や達成感をもたらしてくれるんです。特に『ユタ…』の場合は、カーテンコール後すぐにロビーに出て、お客様のお見送りをします。握手をしながら「感動した」「勇気が出た」という声をもらったり、会場から泣きながら出てくる方もいます。直にふれるお客様の声に、逆に感動をいただき、それが、次の公演への活力にもつながっています。
― 最後に、大分のファンへひとことお願いします。
 ミュージカルを観たことのない方も、ぜひ一度、劇場に足を運んでみてください。初めて観てすっかりハマったという方も少なくありません。とにかく1回、生のステージをご覧ください。そして、少しでも舞台からのメッセージを感じていただければ嬉しいですね。
PROFILE
菊池 正(きくち・ただし)/岩手県釜石市出身。コンサートや音楽番組のダンサーとして活躍後、ミュージカル『ウエストサイド物語』に憧れ劇団四季に入団。86年、『ウエストサイド物語』のインディオ役でデビュー。後にベルナルド役を演じ、好評を博す。『ユタと不思議な仲間たち』には、89年から出演。当初はガキ大将・大作役、07年からペドロ役を演じ、それぞれ個性的なキャラクターを好演。その他『キャッツ』『美女と野獣』『エビータ』など出演作品多数。

劇団四季オリジナルミュージカル ユタと不思議な仲間たち

日時 2012年2月9日(木)
18:00開場/18:30開演
会場 iichikoグランシアタ
料金 S席4,000円、A席3,000円、B席2,000円
●チケットの売上の一部を義援金として東日本大震災の被災地へ寄付します。
●3歳未満のお子様のご入場はご遠慮ください。3歳以上のお子様は有料となります。
●託児サービス有(要予約。満1歳児から未就学児対象)…2100円/1人(税込)。平成24年2月6日(月) 17:00申込締切

主催・公演に関するお問い合わせ
(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL097-533-4004

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