Vol.55 2012 WINTER

さあ、もうすぐベルが鳴りますー直前のプログラムをレクチャー

ジャズピアニスト 小曽根 真 Makoto Ozone

N響は機関車のようなオーケストラ全員が音で繋がり、エネルギーがかかればすごいことになる
―今回、共演されるNHK交響楽団の印象を教えてください。
 ジャズミュージシャンとしてフルオーケストラとご一緒させて頂くというのはとても幸せな事です。N響とご一緒させて頂くのは今度で二度目ですが、前回はN響の爆発力に圧倒されました。まるで機関車だけが何十両も繋がって走っているというようなパワーと余裕…素晴らしい音楽家が集まるとこんな感じなのかと実感しました。正直に言うと、N響というオーケストラより一人ひとりのメンバーとちゃんと音楽で繋がる事ができるかどうかがとても大切な事だと思っています。このパワフルな機関車のエンジンをかける事ができれば、奇跡が起こってとんでもなくパワフルな音楽が生まれるでしょう。
ジャズピアニスト 小曽根 真 Makoto Ozone
―ジャズ専門の小曽根さんが弾くクラシックの聴きどころは?
 公演ではラフマニノフを演奏しますが、ラフマニノフは亡命してアメリカに住んでいましたし、ジャズの影響を受けているので、非常に親近感があります。ジャズマンの十八番といえるようなリズムがいっぱい出てきますし、アドリブで弾けるようなところもあります。ハーモニーもとても美しいですね。でも、ラフマニノフはテクニック的には僕の限界を越えているかな…(笑)。毎日練習していても、なかなか頭に入らない。アドリブで弾くにしても楽譜に書いてあることをちゃんと弾いた上で、音符からもらった物語とエネルギーを自分なりに消化しなければなりません。その道筋を現在探っているところなので、本番では小曽根真のラフマニノフをお届けしたいと思っています。
ジャズピアニスト 小曽根 真 Makoto Ozone
―今回の公演、楽しむコツはありますか!?
 お客様は予備知識のあるなしにかかわらず、何も考えずに、ただ客席に座っていただくのがいいと思うんです。そこから先は僕らの仕事。聴きに来てくださる方が一番大事なので、皆さんに幸せな気持ちや感動を持って帰っていただくためのコンサートにしたいと思っています。
 音楽もラジオも芝居も、すべてコミュニケーションです。エネルギーを発信する演奏家とそれを受け取るお客様。音楽は、言葉や概念、思考という枠を超えた最高のコミュニケーションツールです。それもリアルタイムで起こります。芸術は小説や絵のように1対1のコミュニケーションが多いのですが、音楽は1からマスのコミュニケーションをつくることができる。劇場という一つの空間に集まった運命共同体が、音楽によって人とエネルギーを共有すること。僕が今後も取り組んでいきたいことです。
―地方公演で楽しみにしていることは?
 地方公演では食べ物も楽しみですが、やっぱりお客様の反応がとても楽しみです。大分は中学校の修学旅行で地獄巡りをして以来なので、大分の方と会えるのを楽しみにしています。
取材協力:
(株)ヤマハミュージック東京 銀座店/ヤマハミュージックアベニュー新宿クラッセ
PROFILE
小曽根 真 Makoto Ozone
ジャズ・ピアニスト/作曲家。バークリー音大を首席で卒業。米CBSと日本人初の専属契約を結び世界デビュー。03年グラミー賞にノミネート。ジャズの最前線で活躍する一方、2010年は、ショパンの名曲に独自の即興を加えた演奏と録音を展開。ポーランド政府より「ショパン・パスポート」が授与されるなど高く評価された。2012年はヨーロッパ各地のオーケストラから招かれている。また、舞台音楽の作曲、演奏を手がけるなど、マルチな才能でジャンルを越えて躍進中。
HP:http://makotoozone.com/
iichiko presents NHK交響楽団 大分公演
日時 2012年3月3日(土) 14:15開場/15:00開演
会場 iichiko グランシアタ
出演 指揮:尾高忠明(NHK交響楽団正指揮者)、ピアノ:小曽根真
曲目 ラフマニノフ「パガニーニの主題による狂詩曲」、
ラフマニノフ「交響曲第2番 ホ短調」
料金 GS席6,000円、S席5,000円、A席4,500円、B席4,000円、
学生半額(S〜B席、25歳以下の学生対象、iichiko総合文化センター 1F インフォメーションでのみ取扱い、枚数限定)
主催・お問い合わせ/
(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL097-533-4004
 

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