Vol.51 2011 WINTER
新メンバーを迎えての挑戦。
共にいくつもの壁を乗り越えて、奏でる音楽とは?
どんなことにおいても、「中だるみ」という言葉はつきもの。そして、2年目のジュニアオーケストラにもちょっぴりその症状が現れてしまった。8月に演奏会があった弦楽アンサンブルの前後、”慣れ“が気持ちを緩めたのか、練習に集中できない子どもたちがいた。
当然、レッスン中には講師陣から厳しい言葉が発せられる。シーティングを変更する場面もあった。しかし、危機感を持ちながらも、先生たちは本番に向けた仕上がりをそれほど案じてはいないようだ。「子どもたちは、最後の数日でかなり伸びますからね。本番が近くなってくると、レベルがグッと上がるはずです」というのは、N響のヴァイオリニスト・松田拓之先生。
そして9月に入ると、また新たにオーディションを受けて入団したメンバーが加わり、オーケストラは空気交換ができた感じ。新メンバーにとっては、既存のメンバーの打ち解けた様子が馴染みやすい環境であり、逆に既存のメンバーにとっては、新メンバーが刺激をもたらしてくれた様子。相乗効果で、足音の近付いてきた定期演奏会に向けて、毎回の練習にも熱が入っている。それは、彼らの”音“を聴いていれば、よくわかる。
さて、第1回定期演奏会の興奮が昨日のことのように甦るが、いよいよ第2回の演奏会が近付いてきた。今回はなんと、ハンガリー・サヴァリア交響楽団音楽監督のマーク・ガラノス氏を指揮者に迎え、チャイコフスキー、モーツァルト、ドヴォルザークに挑戦。”言葉の壁“にもぶつかることになる子どもたちが、それをどう乗り越えるのか。見どころは多い。
