Vol.50 2010 AUTUMN
選抜メンバーによるちょっぴり大人のステージに密着
弦楽アンサンブルコンサートvol.1 公演レポート
夏休み最終日となる8月31日(火)、弦楽器の選抜メンバーによるアンサンブルコンサートが開催された。第1回定期演奏会の評判もあってか、会場のiichiko音の泉ホールは、急遽予定外だった2階席も解放するほどの超満員に。子どもたちは今回も、その期待を裏切らない本物の音楽を観客に届けた。
メンバーの中には受験生もいて、学校の勉強と通常のジュニアの課題曲の練習、加えて難解なバロックの曲からチャイコフスキーの大曲までを網羅するアンサンブルのレッスンと、かなり忙しい日々だったはず。代表メンバーに選ばれた責任も、プレッシャーとなって彼らにつきまとっていた。本番前日のホール練習では、〈不安〉が音に現れ、「音を響きに変えて」「集中しよう」「ハーモニーに聴こえない!」など、マロ先生や川瀬先生から容赦ない激が飛ぶ始末。指揮者のいない室内楽なので、息づかいや体の動きでタイミングを合わせていかなければならない、その難しさにも直面していた。
しかし、叱られて萎縮してしまうような”ジュニア“ではない。彼らは、プレッシャーを乗り越えるだけの、新たなことに挑戦する前向きな意欲に溢れていた。よって、本番ではステージに立つことを楽しむ余裕が生まれていたように思う。直前まで先生たちによる細かい指導が入ったが、その先生たちと一緒に演奏した最後の曲目、チャイコフスキー「弦楽のためのセレナーデ ハ長調」では、誰もが嬉しそうな表情を浮かべて演奏していたのが印象的だった。
そんな子どもたちの顔を見ていると、ますますこう願わざるを得ない。大分にもっともっと、音楽が溢れますように!








