Vol.50 2010 AUTUMN

特集 機関誌emo創刊50号スペシャルOASISからの贈り物
名手たちが邂逅! 音楽史をたどる夜
        小林道夫&佐藤俊介 デュオリサイタル
 なんと年の差50歳という音楽家ふたりが、古楽器とモダン楽器を使い分けて300年の音楽史をたどるリサイタル。どんなコンサートになるのか、それぞれにお伺いしました。丁々発止の演奏に期待大です。

チェンバロ・ピアノ 小林道夫 INTERVIEW
 ー湯布院に移住してこられて8年になりますね。休日はいかがお過ごしですか?
 だいたい家にいて勉強をしていますね。湯布院の人たちとは、深い次元で音楽の話をできる。自然の中で生活しているということで、感覚的にも我々にないものをたくさん持っていると思います。
チェンバロ・ピアノ 小林道夫

ー12月に共演される佐藤さんの第一印象は?
 ひとことで言えば「好青年」ですね。古い音楽の面白さを覗いてきた私と、そういうものにすごく意欲を燃やしている彼が、触発されたときにどんな音楽となるのかとても楽しみです。ひょっとしたら面白い火花が散るかもしれない(笑)。

ー後進を育てることについて、どうお考えですか?
 半世紀超の経験の蓄積があるので、それを若い人に渡していかなければと。大学などで指導してきている中で「自分の中にこんなに知識が眠っていたのか」という驚きもあって大変楽しんでいます。

ーそもそも古典に興味を持ったきっかけとは?
 チェンバロからピアノへと楽器が発展していったのはベートーヴェンの時代。彼の楽器への要求が多くてカタチが変わっていった。僕が大学生の当時、チェンバロは日本に2台あったくらい。聴いたことがない音色で、そこに魅かれたんですね。キレイでしょ?

ーええ、とても! これからも、やってみたいことがまだまだあるのでは?
 バッハやモーツァルトの装飾音についての文献を翻訳したいんですが、学んでも学んでも時間が足りません(笑)。

ー最後に、メッセージをお願いします。
 普通の音楽会とはちょっと違うものが聴けるんじゃないかと思います。どうか聴きに来てください。

ヴァイオリン 佐藤俊介 COMMENT
ヴァイオリン 佐藤俊介
 バロック音楽の魅力は、まずは音楽に組み込まれている自由さでしょう。当時、演奏者が即興演奏するのは普通というより、不可欠なことでした。譜面には、演奏指示や実際の音符までも細かく記入されることがほとんどなかったんです。
 もう一つは楽器自体の音色ですね。音色の多彩さは、昔の「タイプ」の楽器の方が豊かであるだけではなく、楽器同士、とても調和しやすいのです。
 そのバロックの第一人者である小林先生とのコンサートが決まったときは、光栄そのものでした! 初めてお会いした時、先生の人間の温かさが良く伝わってきて印象的でしたが、今回も色々と学ばせていただきたいと思います。一方、共演者の間で年齢、経験などの差があることはよくありますが、それを通り越して感性の調和や統一によって音楽をつくれる、という音楽家の特権を満喫させていただきたいと思っています。
 今回のプログラムはとても多彩で、前半と後半でバロック楽器とモダン楽器を弾き分け、楽器自体の違いを聞いていただくだけではなく、演奏する曲のスタイルもフレンチ、ジャーマン(ドイツ)、イタリアンと様々ですので、それぞれの違い、または共通点を味わって楽しんでいただきたいと思っています!

小林道夫&佐藤俊介
profile

チェンバロ・ピアノ

小林道夫(こばやし・みちお)
1933年生まれ。日本を代表するチェンバロ、ピアノ奏者。バッハ演奏の世界的権威。世界一流奏者との共演多数。湯布院に移住してからも全国から演奏会オファーの絶えない音楽界の重鎮であり鉄人。

ヴァイオリン

佐藤俊介(さとう・しゅんすけ)
1984年生まれ。2歳でヴァイオリンを始め、4歳で渡米。アメリカ、パリを拠点に世界的キャリアを積んだ。現在はドイツに住み、バロック・ヴァイオリンでの演奏活動も開始。音楽界が注目する若きスーパースターである。

小林道夫&佐藤俊介 デュオリサイタル

日時 2010年12月14日(火)18:30開場/19:00開演
会場 iichiko音の泉ホール
曲目 前半:ヴァイオリンとオブリガート・チェンバロの為のソナタ ハ短調 BWV1017 ほか
後半:ヴァイオリン・ソナタ第6番 イ長調 op.30の3(L.v.ヴェートーヴェン) ほか
出演 小林道夫(チェンバロ・ピアノ)、 佐藤俊介(ヴァイオリン)
料金 前売3,000円、学生1,500円 ※当日は一般、学生とも500円増
主催・お問い合わせ/カロムジーク TEL 097-547-8360
共催/(財)大分県文化スポーツ振興財団

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