Vol.46 2009 AUTUMN

ドキュメント! iichikoグランシアタ ジュニアオーケストラ物語

グランシアタでの初練習を経験した、
子どもたちの熱い夏

 ジュニアオーケストラのレッスンは、iichiko総合文化センターの地下練習室で行われている。月に2回ペースの練習日には、時計が午後1時きっかりを指すとチューニングの音が聞こえてきて、さっそく合奏がスタート。楽譜を確かめながらたっぷり2時間ほど合わせたら、次はパートごとに分かれてもう2時間。団員の子どもたちは、ほとんど休む間もなくみっちり練習をこなしていく。
 そんなレッスンもあっという間に3カ月が経ち、子どもたちは夏休みに突入。8月3〜5日には東京からNHK交響楽団の先生方を迎えて集中練習が決行された。その最終日には、グランシアタでの初練習という貴重な経験を得ることとなった。
 日頃はギュウギュウの練習室で音を出している子どもたちにとって、グランシアタで課題となったのが“遠くまで音を飛ばす”こと。まだ音が弱く表現力も足りないオーケストラに、ときには先生から「話にならない!!」と熱く激が飛ぶシーンも。大人は、プロは手を抜かないのだ!
 そんな厳しい3日間を過ごした団員たちの心境に変化が。集中練習を終えたミーティングでの、ある団員の感想。「できてない部分はいっぱいある。けど、できるところもあるのはうれしい。うれしいことを増やして、本番も楽しくがんばりたい」と、少しの自信も得た様子。そして最後に、楽団をまとめるインスペクターの宮邉健太さん(高専4)が、「先生に怒られてばっかりだったけど、3日間で教わったことはたくさんある。楽譜に書きこんだことはしっかり練習を。これからがんばっていきましょう」と締めくくった。
 次回の練習からは、団員一人ひとりがまた新たな気持ちで臨むことだろう。憧れの舞台、グランシアタでカッコヨク演奏する日を夢見て。

C.オーディションで、面白い質問をたくさんして緊張している子どもたちをリラックスさせてくれたファゴット講師の加藤典靖先生は、東京ユニバーサルフィルハーモニー管弦楽団首席奏者。練習中も気さくに声をかけてくれます。 A.中学生、高校生、短大生が中心のクラリネットのパート練習。「すぐに練習を始められるように早く来て、楽器をあたためておきましょう」と講師の山口先生からの注意。
D.トランペットのパート練習では、NHK交響楽団(以下N響)の栃本浩規(とちもとひろき)先生が、練習初日に指導しました。まずは、持ち方、腕は「ハ」の字に、マウスピースだけでの音出しなど、トランペットの演奏の基本をみっちり。吹いて見せてくれたその音の力強さと美しさに、みんなの目が輝きました。 B.ジュニアオーケストラの団員が自分で書いたプロフィール表。好きな音楽家や好きなことなどが書かれています。
E.音楽監督の川瀬麻由美先生の指導で、全員揃っての初練習。「キレイに弾こうとしないで、どんどん音を出してね。弾ける人はもっと思い切り弾いて、小さい子を助けて」とずっと声をかけ続けていました。
G.N響ヴァイオリン奏者の白井篤先生。「表現がまだ少ない。どんどんやりたいことをやって、楽しめる演奏会にしていきましょう」とエール。  F.グランシアタでの演奏に、緊張気味。
H.ヴィオラの内田博先生(芸文短大)は、いつも穏やか。
K.コントラバスの時津りか先生(芸文短大)は、休憩も惜しんで熱心に指導していました。 J.九州交響楽団トロンボーン奏者の山下秀樹先生。先生方は子どもたちの間に入って演奏。 I.集中練習で指揮を執ったのはN響ヴィオラ奏者の小野富士先生。「1stヴァイオリンはそよ風のように」などと美しい表現で子どもたちをリード。
楽器探してます 現在、ジュニアオーケストラでは、子どもたちが使用する楽器が不足しています。もし学校や家庭で眠っている楽器がありましたら、寄付または貸出をお願いいたします。 お問い合わせは事務局まで TEL 097-533-4004 テューバ 吉冨佐央里さん(中3・別府市) オーディションから最初の練習日までの1週間に「あまり練習できなかったけど、毎日少しづつやってます」。この日は、みんなと初めて一緒になって楽しかったそう。 ティンパニ・打楽器 末宗憲人(けんと)さん(小6・速見郡日出町) ジュニアオーケストラのオリジナルTシャツが出来上がりました。ドラム奏者としてプロになるのが夢という末宗くんに、早速モデルになってもらってパチリ。
チェロ 安部和佳さん(高2・大分市) 1日に2時間練習しています。「曲が難しいけど、早くみんなと同じくらい上手になれるようにもっと練習したい」。 トランペット 伊東 遥さん(高2・大分市) 「トランペットの仲間はみんなやさしい」と、照れながらもチームワークのよさを教えてくれました。 ファゴット 吉田陽香(はるか)さん(高1・大分市) ファゴットで、ソロも吹けるし、自分の勉強になることばかりなので楽しいし、責任感も出てきました。プロになりたいです!
フルート 麻生弥生さん(中3・大分市) 「楽しいけど、追いつくのに必死です。早くみんなで合わせられるようになりたい」と、練習初日に答えてくれました。弦楽器が加わるオーケストラのすごさも感じたそうです。 クラリネット 山本紗江さん(中2・大分市) 「楽譜に書いてある記号の意味とかをしっかり調べておかないといけないので大変だけど、山口先生は面白いです」! クラリネット 吉原茉央子(まおこ)さん(中2・大分市) 王子中学校でブラスバンドをやっています。友達に誘われてオーディションを受けました。練習は毎回ためになることばかりです。
ヴァイオリン 足立佳乃子さん(小5・臼杵市) 初の練習を終えて、「むずかしかったけど、嬉しかったです」。いつもの自分より上手く弾けるように早くなりたいとハッキリ目標を答えてくれました。 ヴァイオリン 小田裕也さん(小4・大分市) ジュニアオーケストラの練習は楽しいし、「打楽器がドーッと入ってきたりするのがオモシロイ」と笑顔。 ヴァイオリン 梶原萌香さん(小3・由布市) 「みんなと一緒に弾けるのが楽しい。他の人に迷惑を掛けないように練習しないと」、さらに「責任感も強くなってきました」というコメント。小学3年生ですが、しっかりしています。
STAFF PICKUP

目標を持ち、自分を磨いてほしい。

クラリネット講師 山口えつ子 先生

クラリネット講師 山口えつ子 先生

 クラリネットは演奏曲目が難しいので心配でしたが、目に見えて進歩しています。講師でN響のクラリネット奏者・松本健司さんにも「みんな反応がいいので、来年4月の演奏会に間に合うと思うよ」と言っていただきました。ただ演奏するだけでなく、高い目標を持って、自分を磨くという発想が生まれれば、レベルも上がりますし、本人も吹いていて楽しくなるはずです。指導する立場としては、褒めることを心がけて、自発的に練習したいと思うようになってもらいたいと思っています。


PROFILE
やまぐち・えつこ 大分東明高等学校非常勤講師。バリバリの大分弁で指導する気どりのなさが、厳しくも親しみやすく、アットホームな雰囲気をつくってくれる先生。

STAFF PICKUP

楽しい思い出を胸に、いい演奏を。

フルート講師 甲斐雅之 先生

フルート講師 甲斐雅之 先生

 なかなかレッスンに来れないので、1度に話す量が多くなってしまいます(笑)。まだ子どもたちは緊張気味でした。最初のほうは緊張するし、僕も緊張することがありますが、そんなときに、子どもの頃はじめてオケに参加して楽しかった記憶が甦るんです。楽しいと好きになれますから、“楽しい思い出”をずっと心に持っていてほしいですね。そして、徐々に打ち解けて、みんなでスクラムを組んでのびのびと演奏してもらえたらと思います。上達するのを楽しみにしています。


PROFILE
NHK交響楽団フルート奏者。アジア・フルート連盟理事。オーケストラの他、室内楽奏者としても活躍中。

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