Vol.45 2009 SUMMER

特集 松竹大歌舞伎
近松座公演 上方歌舞伎の大看板がお目見得。
“平成の藤十郎”の「和事」をとくとご覧あれ。

2005年に四代目坂田藤十郎を231年ぶりに襲名して、初めての大分での公演となる。二代目扇雀時代に初演で演じたお初の美しさが話題となり、日本中にブームを巻き起こした「曽根崎心中」は、1300回を今年の4月に達成したところである。前名の三代目中村鴈治郎時代は、歌舞伎俳優としてさらに磨きがかかり、立役も女方もその独特の柔らかみから醸し出す雰囲気や芝居の巧みさには定評があった。そして坂田藤十郎時代迎えた今、自らの表現に円熟味を増す一方で、上方歌舞伎の復興をめざし、近松座を結成して活動を続け、現代を代表する和事師(柔弱な色男の恋愛模様を演じる上方歌舞伎の特徴ともいえる演技の形式)と言われる存在となっている。
 今回の大分公演では、まず「坂田藤十郎お目見得 御挨拶」にて、近松座公演と上方歌舞伎にかける思いを語る一幕で始まる。
 二幕目は”平成の坂田藤十郎“を十二分に堪能できる「恋飛脚大和往来封印切」。亀屋忠兵衛(坂田藤十郎)は、相思相愛の遊女梅川(中村壱太郎)を身請けするための前金を払ったが、後金が用意できない。そこで抱え主の槌屋治右衛門(坂東彦三郎)に、後金を待ってくれるように頼んで了承される。が、同じく梅川を身請けしようとしていた丹波屋八右衛門(片岡愛之助)は腹を立て、井筒屋のおえん(片岡秀太郎)や梅川たちを前に、忠兵衛をこきおろす。これを二階で聞いていた忠兵衛が、八右衛門の前に現れ、言い争いをするうちに忠兵衛が手にする公金の封が切れてしまう。実際の横領事件を題材にしたこの作品は、近松門左衛門の「冥途の飛脚」をもとに作られた、上方歌舞伎の代表作。
 三幕目は、歌舞伎ファンならずともご存じの舞踊の名作「連獅子」。中村翫雀と片岡愛之助が勇壮な獅子の親子の姿を披露する。
 坂田藤十郎率いる近松座による上方歌舞伎の真髄をたっぷりとご覧ください。

片岡 秀太郎(かたおか ひでたろう) 坂東 彦三郎(ばんどう ひこさぶろう) 中村 亀鶴(なかむら きかく) 中村 壱太郎(なかむら かずたろう) 片岡 愛之助(かたおか あいのすけ) 中村 翫雀(なかむら かんじゃく) 坂田 藤十郎(さかた とうじゅうろう)

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