Vol.45 2009 SUMMER

舞台裏の特別席

第11回 別府アルゲリッチ音楽祭
マラソン・コンサート 〜協奏曲と室内楽〜

2009年5月17日(日) iichikoグランシアタ

 今年は大分での開催となった、アルゲリッチ音楽祭のメインコンサート「マラソン・コンサート」、カーテンコールの様子。オーケストラのみならず声楽、パーカッション、室内楽とバラエティに富んだラインナップはどれも“ブラボー!!”。4時間ずっと、満員のグランシアタは拍手喝采の嵐でした。

今年は大分での開催となった、アルゲリッチ音楽祭のメインコンサート「マラソン・コンサート」、カーテンコールの様子。オーケストラのみならず声楽、パーカッション、室内楽とバラエティに富んだラインナップはどれも“ブラボー!!”。4時間ずっと、満員のグランシアタは拍手喝采の嵐でした。
開場と同時に全国から駆けつけた音楽祭ファンが押し寄せる。クラシックファンから音楽を志す地元の学生まで観客は幅広い リハーサル風景。ピアノ協奏曲でタクトを振ったバシュメットさん。17年前に初めてアルゲリッチと演奏したのもハイドン マラソン・コンサート翌日はマスタークラスにも登場のバシュメットさん。豊かな表現で若手の育成に力を注いでくれた
大休憩の後に登場した出口さん。艶やかなブルーのドレスの美し
さ、そして美声に会場は息をのんだ 出番を控え楽譜をチェックするオケの学生。世界トップの演奏家たちとの出会いは学生にとって緊張モノ、でも宝物 オケで共演した桐朋学園の生徒から、運営スタッフへサプライズメッセージ! スタッフあっての音楽祭

子どもたちから、音楽に大事なことは 何かを教えてもらいました。

ソプラノ
出口正子 さん

ソプラノ 出口正子 さん

  前回(2007年)は、初めての参加と初体験の公開レッスンがありましたので、あわただしかったという印象でした。でも、今回は「デュオの響演」を聞かせていただいて、アルゲリッチさんの演奏は、ミューズ(音楽の神)が降りて来ているような感覚を受けました。聴衆の皆さんの表情も間近に見ることができ、音楽祭の楽しさに巻き込まれていく力、エネルギーを私自身が感じました。
 また、昨年、ピノキオコンサートで、子どものための音楽会で歌ったことも、私にとって本当にいい経験になりました。まだ何色にも染まっていない純粋無垢な子どもたちを前に、音楽が嫌いになってしまうような歌を聴かせるわけにはいかないというプレッシャーを感じつつも、音楽のあるべき姿がそこにある気がして、自分も無垢なところに立ち返れる機会をもらいました。
 マラソン・コンサートは、午後1時頃にリハーサルがあって、7時頃の出番までの間、コンディションを整え、モチベーションを保つのが大変ですが、他の演奏家の方々とご一緒できるのがいいですね。
 それに、音楽祭のお客様はすごくオープン。終演後、気軽に温かい言葉をかけてくださって、イタリアにいた時を思い出しました。これらの空気を大分から発信して、今の混沌とした閉塞感を取り除いていただきたい。アルゲリッチ音楽祭はそういう役割を果たしていると思います。

PROFILE
声楽家、ソプラノ。イタリアのスカラ座研究所で研鑽を積んだ。1981年、ミラノのテアトロ・ナツィオナーレでの《ルチア》タイトルロールでオペラデビュー。数々の海外オペラで成功を収め、1987年には藤原歌劇団《ルチア》で衝撃的な日本でのオペラデビューを飾った。以降、同歌劇団のプリマドンナとして絶賛を博す。(財)アルゲリッチ芸術振興財団名誉理事。

マルタもまたマグマのようだ。
そのエネルギーは無尽蔵で無限に尽きない。

ヴィオラ
ユーリー・バシュメット さん

ヴィオラ ユーリー・バシュメット さん

 時代を代表するマルタ・アルゲリッチというピアニスト、演奏するたびに驚かされる彼女と協演できる魅力。そして、そのマルタを支える人たち、それもこの音楽祭の魅力です。皆マルタが大好きで、マルタをはじめ、演奏者が気持ちよく演奏できる環境づくりに懸命に心くだいていることがとても伝わってきます。調律を例にとってもそう、楽屋でのちょっとした心配り、それが滞在するホテルやタクシーにまで行き届いている。
 もうひとつ、私がこの音楽祭を楽しみにしているものに“温泉”の存在があります。温泉がいっぺんに気に入ってしまい、2回目にここを訪れる飛行機の中では「温泉が待っている」と思うとどうしようもなくワクワクしたものです。以来、滞在中は毎朝6時にはもう温泉に浸かってますから。今日も、このインタビューを終えたら温泉です。
 ピアノのマルタ、そしてヴァイオリンのギドン(クレーメル)。ギドンは真の意味で大きな音楽家。ユニークで独創的な彼の参加はとても大切で意義があります。そして、セルゲイ(ナカリャコフ)など、それぞれの楽器を代表する第一人者が集まってくるのもこの音楽祭。まだまだたくさんある楽器を代表する演奏家が集まることで音楽祭の可能性がさらに広がるでしょう。音楽祭はまさに温泉を生む火山。その時が来るまで地底でフツフツとエネルギーを蓄え、その日、一気に噴き上がるんですから。

PROFILE
声楽家、ソプラノ。イタリアのスカラ座研究所で研鑽を積んだ。1981年、ミラノのテアトロ・ナツィオナーレでの《ルチア》タイトルロールでオペラデビュー。数々の海外オペラで成功を収め、1987年には藤原歌劇団《ルチア》で衝撃的な日本でのオペラデビューを飾った。以降、同歌劇団のプリマドンナとして絶賛を博す。(財)アルゲリッチ芸術振興財団名誉理事。

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