Vol.44 2009 SPRING
日本人の美意識には
自然の中に八百万の神々を見出し、
句や歌、茶道など一言で語る、ものの哀れを知る思いやりの心。
所作や間を重んじながら、白と黒の間に「曖昧」という朧げな色彩を見出し、
陰翳礼讃の五感による独特の美意識を持っているそうです。
それは…それは優しく、繊細な感性に育まれて季節の移ろいを知るのでしょうか?
いにしえより豊かなる國と呼ばれた、
ふるさと[大分]をもう一度見つめなおして下さい。

豊かな町で
私のひとつの鳥籠を買った
停車場の人は
にこにことそれを受取り
預り証を書きながら私に訊ねた
なにをお飼ひになりますか
あゝ ふつくらした夢です
花は爛漫と咲き
山々はまどかに
人々は礼儀ただしく……
Design/ Katsutoshi Kirifu
Photo/ 竹内 康訓