Vol.44 2009 SPRING

幕が開く前に|公演を楽しむための予習ページ

待ってました!
うなるカリスマ、大分公演決定!

「浪曲 ザ・忠臣蔵」 浪曲師 国本武春さん INTERVIEW

 三味線を手に、ロックやバラードのリズムにのせて『忠臣蔵』を歌い、語る……。奇想天外な発想!? 常識はずれの面白さ!? 笑いと感動の果てにホロリとさせる、あっという間の100分間。そのステージは、一度観れば誰もが虜になること間違いなし!

役者志望から浪曲師の道へ

  ”うなるカリスマ“こと、型破りな浪曲師、国本武春さん。両親ともに浪曲師という環境に生まれ育った国本さんですが、高校卒業までは、浪曲師になることは考えていなかったとか。  「中学時代にブルーグラスにはまってバンドを結成したり、半分遊びで津軽三味線を習ったり。楽器や音楽に興味はありましたが、その頃は、浪曲をやろうという気持ちはなかったですね」 高校卒業後は、役者を目指して芝居の専門学校へ入学。「舞台で表現するのが好きだったので。でも、なかなか思うような役がもらえなくて、学校をさぼっては寄席へ行き、落語を聞いたりするうちに、だんだん浪曲も聞くようになったんです」  昔は一世を風靡したと聞く浪曲。ところが聴いてみても、まるでお経のようにしか聞こえず、何を言ってるのかもわからない。 「十代にしちゃ落語や演芸には詳しいつもりでいたし、浪曲師の倅でもある自分が、浪曲を聴いて何言ってるかわからないじゃ悔しいと思ってね。それで、名人集のテープなんかを買って聞くようになったのが、浪曲に興味を持つきっかけでした」

 専門学校を卒業後、本格的に浪曲の道へ進むことに。最初は三味線からスタートしたものの、やはり両親と同じ「うなる」ほうの浪曲に転向。22歳で初舞台を踏みます。その時には、古典をずっと続けていくつもりだったという国本さんですが、やがて独自の世界を切り開くに至ります。
  「浪曲師になって3、4年した頃かな。周りも思ったより面白いとは言ってくれるんですが、なかなか大勢の人に聞いてもらえない。昔は大流行したものが、今は流行らないのはどうしてだろう? と考えたんです」
  昔は「いい節だねぇ」と言われた浪曲でも、自分がそうだったように、今の人にはお経のようにしか聞こえない。聞き慣れた人には素晴らしい芸でも、初めて聞く人には魅力をわかってもらえない。「それなら」と思いついたのが、三味線の伴奏にのせて語る、独自の弾き語りスタイルでした。

あまりの熱演で、三味線の糸が切れるというハプニングも。 今年1月の京都公演のステージにて。

古典も弾き語りも、スピリットは同じ

 やがて、古典浪曲師として舞台に立つ一方、渋谷や原宿のライブハウスで弾き語りを発表するようになります。
  「三味線でロックをやると、みんなが、あっと驚くんですよね。それがまた楽しくて」
  ロックはもちろん、ラップやバラード、ブルーグラスまで、ありとあらゆる音楽を、浪曲の声と三味線で語り、歌う。新しい芸は一躍脚光を浴び、ドラマや国内外のミュージカルにも出演。CDデビューまで果たします。
  紋付袴姿で古典を語る浪曲師の顔と、ベストにジーンズ姿で三味線の弾き語りをするもうひとつの顔。まったく違うように見えて「スピリットは同じ」と国本さんはいいます。
  「三味線にのせて語ってるという意味では、弾き語りも、僕にとっては浪曲。いってみれば”武春浪曲“なんです」
  古典芸能、伝統芸能とも呼ばれますが「浪曲は、なんでもありの大衆芸」だと国本さん。
  「大衆にウケてなんぼ、流行ってなんぼだと思うんです。だから伝統を守ることよりも、僕がこれを一生続けていくことで、弾き語りをきっかけに、浪曲を知る人が少しでも増えればいいなと思うんです」

ステージが始れば、休憩なし、退屈知らずの100分間。三味線の音に聞き惚れ、話術に引き込まれ。”国本マジック“で会場がひとつに。

お客さんの反応が、エネルギー源

 日本だけでなく、海外でも広く活躍する国本さん。今年7月には、古典浪曲を披露するためブラジルへ行くことも決まっています。
  その幅広い活動の源になっているのが、お客さん の盛り上がりを肌で感じられる生の舞台。
  「僕が、登場人物を必死に描き、演じることで、お客さんにも同じ気持ち、同じ空気を吸って楽しんでもらいたい。その空気を伝えていくのが芸人の使命だと思うし、テレビでは伝えられないものなんですよね」
  弾き語りのステージでは、クライマックスの『ザ・忠臣蔵』の前に『浪曲教室』なる演目を披露。「待ってました!」、「たっぷり!」など、浪曲をより楽しむためのかけ声を練習しながら、観客はひとり残らずステージに釘付けに。
  この一体感。それこそが、国本さんにとっての創作活動の源であり、エネルギー源にもなっているそうです。

熱演します! お楽しみに。

 浪曲の”中興の祖“といわれる桃中軒雲右衛門は、江戸から九州へ渡り、そこで芸を磨いたといわれています。
  「九州は、いわば浪曲発祥の地ともいえるところ。芸どころでもあり、熱演する者には熱い声援で応えてくれる土地柄なので、大分は、僕も今から楽しみにしています」
  浪曲という古典芸能をベースにしつつ、三味線を手に、歌うはロックにバラード。まったく新しい、笑いと感動のザ・エンターテイメント。
  「ことばでは説明しにくいので、騙されたと思って一度来てみて下さい(笑)。熱演しますので、どうぞお楽しみに!」
  たっぷり楽しませてくれること間違いなしのステージ。絶対に見なきゃ損!ですよ。

浪曲師 国本武春

くにもと・たけはる
1960年千葉県生まれ。19歳で浪曲界入り、22歳で初舞台を踏む。87年頃から三味線にギターのフレーズを取り入れた独自の三味線奏法を開発。ロックやR&Bに「語り」と三味線を合体させたスタイルを確立し、作詞作曲活動も始める。古典浪曲、弾き語りライブ、日米でのブルーグラス・ミュージック公演、テレビ、ラジオ出演など多方面で活躍中。平成13年度国立演芸場花形演芸大賞大賞受賞他、受賞歴多数。
国本武春公式サイト http://takeharudo.music.coocan.jp/

国本武春 三味線弾き語り
日時 2009年5月8日(金) 18:00開場/18:30開演
会場 iichiko 音の泉ホール
出演 国本武春
料金 全席指定 2,000円
※未就学児の入場はご遠慮ください。
主催・お問い合わせ/
(財)大分県文化スポーツ振興財団 TEL097-533-4004

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