Vol.43 2009 WINTER

『アフリカン・シップ』響け!大地の鼓動 親と子のアフリカン打楽器&アフリカンダンスワークショップが築いた絆 2008年11月16日(日)、ガレリア竹町ドーム広場で「親と子のアフリカン打楽器&アフリカンダンスワークショップ」の発表会が行われた。親子、講師、地域の人々の枠を越えて盛り上がったこの日、大分県文化スポーツ振興財団の掲げた「人づくり事業」の意義がはっきりと見えてきました。
キーワードは〈人をつなぐ〉
 ズンタカッズンッ、ズンタカッズンッ。ガレリア竹町ドーム広場ーーそれぞれの目的をもって多くの人が集まり、行き交い、賑わう、街中のコミュニケーション・スペース。シンボルの帆船モニュメントのそばにつくられたステージから、地面をつんざくような太鼓のリズムが響き渡った。その音に気づき、街ゆく人が歩を止める。自転車で通り過ぎようとした人もブレーキをかけている。遠くからも人が集まってきた。みんな、西アフリカからやってきた聴き慣れないジェンベの音に「何事か?!」と言わんばかりの顔をしている。お年寄りがいる、ベビーカーを引いた若い夫婦がいる、外国人がいる。あっという間にステージの周りは人で埋め尽くされていった。そして、いつの間にかみんなが手拍子をしながら、体を揺らしながら、西アフリカのリズムに身を委ねていた。そう、地域も世代もさまざまな人々が「演じる側」「観る側」といった枠をこえて「楽しむ」。そこは、「いつもの船のところ」という〈場所〉ではなく、人と人が音楽で繋がる〈空間〉になった。
 08年9月から3カ月、計6回にわたって行われた「親と子のアフリカン打楽器&アフリカンダンスワークショップ」。11月16日(日)、ついにレッスンの成果を披露する発表会『アフリカン・シップ』が行われた。このワークショップは、10周年を迎えた大分県文化スポーツ振興財団が〈人づくり事業〉の一貫に据えたもの。財団ではこれまで多彩なジャンルのワークショップを広い世代に向けて開催してきた。が、これからは音楽やアートを介して次代を担う子どもたちの育成を目指したいと考えている。〈人づくり事業〉という言葉にピンとこないなら、芸術文化で〈人をつなぐ〉と考えてみてほしい。親と子、先生と生徒、先輩と後輩のような〈タテの関係〉。友達や兄弟姉妹のような〈ヨコの関係〉。そこからもう一歩、直接利害関係のない第三者とのつながりに踏み出してみる。少子化、核家族化などで希薄になりつつある〈地域社会と子どもたちの関係〉を文化的な切り口からつないでいくことこそ財団は大切だと思っている。つまり、〈人づくり事業〉とは、音楽やアートを介し、子どもを地域全体で育てていきたいと願うものなのである。
またいつか、この場所で
 ワークショップの講師は2人。打楽器の先生には、福岡でアフリカンバンド「FOLIKAN」を率いる榎本裕二さんを、ダンスの先生には同じく福岡を拠点に活躍するアフリカンダンサーの村井美弥子さんを迎えた。それを、地元大分市のグループ「BEN☆KAN」と、佐伯市の「アンタトロンディア」がサポート。さらに、熊本の「Wassa Wassa」が楽器提供に協力してくれた。
  そして今回、9組の親子が集まってくれた。子どもの年齢は最年少5歳、最年長14歳と幅広く、お母さんたちの中には近所の子どもを連れて参加してくれた方もいた。3カ月の特訓を積み、「O−itamtam(おーいたむたむ)★マンデンデン」というグループ名まで誕生(「おおいた×太鼓〈タムタム〉★マンデ王国の子ども〈デン〉」という意味)。そして本番では、願いがかなった時に演奏される『モリバヤッサ』と、儀式や祭りのリズム『ジョレ』の2曲を披露し、観客から拍手喝采を浴びた。
  親子でさえ、一緒にいる時間が昔よりも短くなっている時代、子どもたちにとってはお母さんと何かに挑戦できることだけでも貴重なことだっただろう。しかも、新しい友達に出会えた。そして、「BEN☆KAN」や「アンタトロンディア」という地域のお兄さん、お姉さんができた――。今後もきっと、このワークショップで一堂に会した仲間たちは繋がり合っていくだろう。そしてまたいつか、この場所に、大地の鼓動を響かせてくれることを期待したい。

A.いよいよ本番前、お母さんがつくってくれた衣装を纏い、バンダナをギュッと結んでもらう B.息もぴったり! 小さなジェンベ奏者たちの誕生です C.BEN☆KANのお姉さんに誘われて、客席から飛び出す子どもたち D.E.ワークショップ参加者の発表会の後、講師の裕二さん、美弥子さんにBEN☆KANとアンタトロンディアも加わったスペシャルライブもありました。拍手も止まるほど見とれてしまうような演技でしたF.街ゆく人たちがあっという間に集まってきましたG.自己紹介もジェンベで「ズンッカカッ」とカッコヨク決まりました H.最後に全員で。大成功!

最年長の郁也くん。お母さんはドゥンドゥンをがんばりました! 野上英子さん、郁也くん(中1)お母さんはアフリカンダンス経験者でした。5歳の久恵ちゃんも、お姉ちゃんと一緒にダンス続けてね。 加藤日保子さん、千晴ちゃん(小4)、久恵ちゃん(幼稚園)BEN☆KANのワークショップでアフリカンダンスの虜に。元気よく踊りました。 高野桂子さん、桃子ちゃん(小3)とってもがんばりやさんの光然くん横断幕づくりも楽しかったね。 辻生幸さん、光然くん(小6)練習にもお母さんコーディネートの服できてくれました。 高倉さとみちゃん(小4)、小百合ちゃん(小1)ご近所さん仲間でのうれしい参加。それを率いる智子さんのダンス、ステキでした。 藤原智子さん、そらくん(小1)、るいくん(小2)、中野蘭ちゃん(小6)、荒金ゆうきくん(小2)カッコよくジェンベをこなした文香ちゃんとお母さんのコンビでした。 那須範子さん、文香ちゃん(小5)

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