Vol.43 2009 WINTER

OITA no MIRAI 大分新進芸術家紹介

現代美術家
藤崎友子
Fujisaki Tomoko

体感して得る
イメージを
カタチにしていく

 2000年、アート・アニュアル大賞受賞。01年〜04年、グループ展「零のゼロ」に参加。02年、OASISアーティストプロデュースに出展。05年、個展「セブンポイント」。06年、BEPPU PROJECT「ストリートプロジェクト」に参加。……21世紀に突入した大分のアートシーンを賑わし続けている、現代美術家の藤崎友子さん。彼女は、発砲スチロールで形取った原型に樹脂粘土を纏わせて色をつけるというやり方で、立体作品を制作している。
  藤崎さんは、武蔵野美術短期大学を卒業した後、東京美術専門学校(TSA)研究科を修了。と同時にイギリスへ出かけ、以降20代の日々をバックパッカーとして過ごした。資金調達のアルバイトをするため、たびたび帰国と渡航を繰り返しながら、東欧やアジア諸国を旅し、最後は「バルセロナから日本に帰ってくるのに3年もかかっちゃった!」という。旅先では、日常的に絵を描いていた。擬似的に何らかの状況に身を浸し、そこで〈体感〉するもののイメージを膨らませて絵にした。ひとところに落ち着くと、部屋を借りて住み込み、現地で手に入る画材を使って絵を描くことに没頭することもあったそうだ。
  ところが、描くものどれもがしっくりこない。ちょうど帰国した2000年のこと、藤崎さんは、そんなはっきりとした違和感を覚えていた。そこへ、友人から「立体をつくってみたら?」とアドバイスを受け、制作した『はじめにたまごありき』という作品。これがアート・アニュアルの大賞に輝いたのだ。受賞をきっかけに、藤崎さんは出身地の別府に拠点を置き、作家としての活動を始めた。
  2008年11月に開催されたOASISアーティストプロデュース企画展「プログレス」では、見るものをあっと言わせる半立体の新作も手がけた。
  「実は、平面とか立体っていう区切りはなくて、これをこう見せるんだったら平面だな、立体だな、という風に考えています。で、最近はずる賢くなって半立体とかもつくったりして(笑)」
  そんな彼女の作品は、学芸員に言わせれば「どこか無国籍な感じ」という。藤崎さんの場合、旅先で〈体感〉したさまざまな印象が作品に影響しているように思う。おそらく、彼女の〈体感〉の感度は普通の人の何倍も強い。その分、彼女の作品を見る側にも熱波のようなものが伝わってくる。でも、2000年以来、旅は封印している。藤崎さんに、これからやりたいことを尋ねてみると「半年くらいまた旅をして、絵を描きたいなぁ」と、予想通りの回答! いつかまた旅に出たなら、彼女は次にどんな作品を連れて帰ってくるのか、いまから待ち遠しい。

制作に使うのは樹脂粘土。高価なのに速乾性があるので、ラップにくるんでおかないとすぐに固まってしまう

石塔好きが高じて物販用に制作した石塔グッズ。5cmほどの高さのものから1cmくらいのミニチュアサイズまでかわいらしい!

いろんな国を旅した中でも、カンボジアの遺跡「バイヨン」には感動した。これをモチーフにした作品も制作したほど

“マイ・フェイヴァリット”なものは? と尋ねるとNo.1は滋賀にあるお寺の石塔だと。「私のアイドル」とまで言う“彼”を、自分で撮った写真

このページのTOPへ戻る