Vol.41 2008 SUMMER

夏の残響


―高村 光太郎 [同棲同類]―より

蟷螂は物干し網に鎌を研ぐ
蠅とり蜘蛛は三段跳び
かけた手拭いはひとりでじやれる
郵便物が がちやりと落ちる
時計はひるね
鉄瓶もひるね
芙蓉の葉は舌を垂らす

―づしん―と小さな地震

油蝉を伴奏にして
この一群の同棲同類の頭の上から
子午線上の大火團がまつさかさまに
がつと 照らす

Design/ Katsutoshi Kirifu
Photo/ 竹内 康訓

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