Vol.40 2008 SPRING

舞台裏探訪 emo LOOK BACK

人形浄瑠璃
文楽

2008/3/7(水) 昼の部13:30開演 夜の部18:00開演
iichiko音の泉ホール

 文楽ファンが心待ちにしていた大分公演。毎回昼と夜とで違うプログラムが用意されるのも恒例となっています。太夫が語り、三味線が聴かせ、人形遣いの技にみるみる引き込まれていく舞台。お馴染みの口説きや見せ場では客席の常連の方々の声もかかります。一方、舞台裏でもemoならではの特別な舞台が用意されていました。本邦初公開! 人間国宝・吉田文雀師匠による貴重なemoショットなど興味深いシーンの数々、どうぞお見逃しなく……。

 ◆舞台裏の特別席へご招待◆  吉田文雀師匠による誌上特別レクチャー

  お人形の胴体に頭が付き、文雀師匠の指がスーッと通った途端、人形が人の体温になり、心が通い、人格が生まれる、その瞬間。お見せいたします、このLOOK BACKで! 取材チームも鳥肌ものの感動的な場面でした。

同じお人形でも、年齢も人柄も職業も身分も演じ分けられるという人形遣い、文雀師匠のその妙技をとくとご覧ください。

今度は若い娘さんといってもこちらはお姫様のしぐさ。動きは小ぶりになり、上品さが漂う。

「若いお嬢ちゃんが、ほほほ、ほほほと」と師匠。

全体的に腰をストンと落とし、前かがみになると今度は年配のご婦人に。

人間国宝の吉田文雀師匠と現れたのは、京都を舞台とした世話物『近頃河原の達引』で祇園の遊女を演じるおしゅんさん。舞台では愛する人と一緒に死のうとまでする健気な娘です。

只今、遊女役を演じ中。「女形は肩がポイント。肩の動かし方で人形の表情が変わります。顔が動くわけではないけど、肩を動かすことで顔の向きが微妙に変わり、お客さんにはその変化が表情の変化にも見えるわけです」と師匠。

遊女役の象徴的な動きの一つ。懐に手を差し込み思いに暮れているところ。

恒例のemoショットは文雀師匠とおしゅんさんの珠玉のツーショット。文雀師匠、おしゅんさんを遣うのは何と25年ぶり。師匠の師匠で女形の名人といわれた三代吉田文五郎さんの大好きな役だったとか。その師匠と一緒に昭和30年に大分に訪れた時が印象深かったと話す文雀師匠。駅前では大きなデモか何かが行われていたそうで、やぐらの上でシュプレヒコールを上げる人を見て「何してはんねん?けったいなこっちゃなぁ」と師匠が尋ねたのを覚えているのだそうだ。師匠との思い出話を語る文雀の京都弁のなんとも雅なこと。

本来、主遣い(おもづかい)の文雀師匠が担当するのは頭と右手。左遣いや足遣いがいない中でのこの表情と動き。

その右手の遣い方

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