Vol.39 2008 WINTER

OITA no MIRAI 大分新進芸術家紹介

ソプラノ歌手
メニッシュ純子
Menish Junko

歌を楽しむ気持ちが
新たな声楽の道を開く

 細く華奢な体から発せられる透き通るような歌声で観客を魅了するソプラノ歌手、メニッシュ純子さん。04年には別府アルゲリッチ音楽祭にも出演するなど、国内を中心に活躍中だ。
  歌手を目指していたというよりも、歌う事を楽しむために、高校卒業後は東京学芸大学教育学部音楽科に進む。そこで高橋修一先生に師事。先生より東京芸術大学進学を勧められる。「芸大なんて考えた事がなかったので”行けるのか!?“みたいな気持ちで受けました」。そして三年生の時に学芸大を辞め、東京芸術大に進み直す。「芸大に入り、最初は正直気後れしました。学芸大はほとんどが先生志望の子達なのでのんびりとしていましたが、芸大はみんながライバルというか、プロを目指している人達ばかりなのでピリピリしたムードが感じられ、私はちょっと一歩引いたところにいた気がします」。
  芸大に入り音楽に対して少し消極的になっていた彼女に、一つの転機が訪れる。それが中村智子さんとウーヴェ・ハイルマン氏ご夫婦との出会いだ。「四年生の夏に、たまたまお二人のリサイタルを見に行き、日本人でこんな素晴らしい歌を歌える人がいたのか!と、ものすごい衝撃を受けたんです」。中村さんの実家が鹿児島ということもあり、早速鹿児島でお二人のレッスンを受けるが、未熟な部分を指摘されるばかりだった。芸大卒業後は、お二人が指導にあたられている沖縄県立芸大へ研究生として赴き、声楽のみならず歌手とはどういうものかまで全てを学ぶ。「今歌っていられるのは本当にこの先生方のお陰だと思っています」。そして現在でも歌について行き詰まると、お二人の演奏中の写真を見て歌い方などを思い出しているというほど、彼女にとって大きな存在となっている。
  その後、結婚を機に再び芸大の大学院へ進む。「彼の勧めもあり芸大に戻ったんですが、結婚をして自分自身が強くなったように思います。学部時代に引け目を感じていたような気持ちもなくなり、レッスンを本気でありがたいと思えるようになったし、とても前向きになれました。本番前には気持ちが不安定になることも多かったですが、今は割と平常心を保って本番に臨めるようになりました」。
  そして昨年、日本音楽コンクールで入賞、大きな自信にもつながり、ますます輝きを増した歌手として活躍している。最近はギターとソプラノの演奏会も行うなど活動の幅も広がっている。今後は、スペイン歌曲とフラメンコをステージ上で融合させるなど、オペラ以外でも歌と舞台を視覚でも楽しめるようなクリエイティブなことにも挑戦してみたいと夢は膨らむ。彼女の新たな可能性の誕生に期待したい。

めにっしゅ ・じゅんこ 1972年、大分県生まれ。東京学芸大学を経て、東京芸術大学卒業。同大学大学院修士課程修了。修士課程在学中パリ留学。第75回日本音楽コンクール第2位など、数々のコンクールで入賞し、現在歌曲を中心に活動中。東京文化会館にてオペラ『ティレジアスの乳房』テレーズ役やアルゲリッチ音楽祭等にも出演。高橋修一、中村智子、ウーヴェ・ハイルマン、ペギー・ブヴレの各氏に師事。

デビューアルバム『Sonorite』、ソナタ/A.ホセ、歌と踊り第13番/F.モンポウ、南のソナチネ/M.M.ポンセ、ソナタ第3番/M.M.ポンセ、ガリシアの歌/M.M.ポンセ編、フォレストヒルレコーズ FHCD-20612 ¥2,940

健康管理のためにも、毎日使用している指圧器と足指元気くん。指圧器は23歳の誕生日にお父さんからプレゼントされたもの。地方での仕事の時も常に持っていくほどの愛着ぶりだ。

パリ留学中に、上映しているほぼ全てのオペラやバレエを見尽くしたという彼女が所有するパンフレットの一部。芸術性の高さと斬新さに感動し、ダンスとの融合を思い描くきっかけにもなった。

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