Vol.38 2007 AUTUMN

舞台裏探訪 emo LOOK BACK

松竹大歌舞伎 「中村信二郎改め 二代目中村錦之助襲名披露」

2007/9/5(水) 昼の部13:00開演 夜の部18:00開演 iichikoグランシアタ

LOOK BACK INTERVIEW

出演者インタビュー

決して古い時代の女性ではなく、
どんな時代の女性にも通じる女心
歌舞伎俳優 五代目 中村時蔵さん

 新歌舞伎での番町皿屋敷は、みなさんよくご存じの幽霊となったお菊が登場する物語ではなく、むしろ嫉妬から皿を割ってしまうお菊と、そのお菊の心情が許せなかった播磨の揺れ動く心を映したもの。古典と少し違うのはあの大きな振りではなく、ちょっとリアルな人間の動き。嫉妬心から播磨の心を試そうというお菊の女心、やりようによってはイヤな女に映りもするけど、そうではなく、それが可愛く、意地らしく見える、そんなお菊を演じようと努めました。1枚、2枚とお皿を差し出す、そのさし出し方も一枚一枚違うんですね。差し出した皿を次々に割る播磨に驚き、恐れるお菊が、次第に覚悟を決めていく様子。死に際のお菊はむしろ播磨の本当の心を知り穏やかな表情さえ見せます。
 これまで大分には叔父と共演した舞台や歌舞伎のレクチャーなどにもお邪魔していますが、一人でも多くのお客様が劇場に足を運んでみようという興味を持っていただけたらと思うんです。

PROFILE  
 天性の美しさにも恵まれた四代目の長男。わずか6歳で父を亡くした時蔵兄弟の父親代わりとなったのが叔父の中村錦之助。56年には五代目時蔵を襲名し、名題昇進。今公演では息子の梅枝と番町皿屋敷で共演。昭和56年に大分に初めて公演で訪れて以来、国見歌舞伎などにも指導に訪れている。昭和30年4月26日生まれ。

錦之助の名前を
歌舞伎の世界でも残したい
歌舞伎俳優 二代目 中村錦之助さん

 錦之助の名前を継ぐべきか継がざるべきかと私なりにずいぶん迷いました。でも今はこの名前を歌舞伎の世界で大きくしていく、それが私の役目と思っています。叔父は歌舞伎界を離れた後は歌舞伎役者として舞台に立つことはありませんでしたが、それでもいつも歌舞伎の役や演目のことがきっちりと頭に入っていたようです。歌舞伎であっても映画やテレビであっても、お客さまへの気持ちの持ち方は同じ。それが少しもブレることがなかった叔父の姿。それが歌舞伎の道に進んだ私たちへのアドバイスとなりました。叔父との思い出はたくさんありますが、5歳の時叔父の映画に初出演させてもらったこと、テレビのロケにも連れてってもらって素っ裸のまま叔父と海で泳いだのも忘れられない思い出です。大分には叔父の大親友がいて、その方のお店にうかがうのも楽しみの一つ。今回も寄せてもらったけど、相変わらず大分の魚美味しかったですね。

PROFILE
  「穏やかでおおらかで」と当代の錦之助を誰もがこう評するように、気負いのない、気取りのない性格が誰からも愛されている。早世した美貌の女方四代目時蔵の二男で、五代目時蔵は兄。今回の襲名までは本名の信二郎を名乗っていた。市川猿之助、中村富十郎に師事。今は古典をしっかり身につけたいと。自分の中の何かを伝えられる役者になりたいと話す。

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