Vol.38 2007 AUTUMN

舞台裏探訪 emo LOOK BACK

松竹大歌舞伎 「中村信二郎改め 二代目中村錦之助襲名披露」

2007/9/5(水) 昼の部13:00開演 夜の部18:00開演 iichikoグランシアタ

◆ 楽屋付近では〜

梅玉さんの楽屋のれん。

時蔵さんの楽屋のれん。

錦之助さんの楽屋のれん。

 慣れたこととはいえ、役者さんたちの身支度といい化粧といい、早いこと、早いこと。

 今回の公演では、長唄や常盤津がたっぷり聴けるのも見どころの一つ。江戸歌舞伎を代表する曽我狂言から『正札附根元草摺』では長唄、江戸中村座初演の『戻駕色相肩(もどりかごいろあいかた)』では常盤津をじっくりと堪能できました。

小道具もいろいろ。

ちょっと楽しい楽屋裏。

 このいでたちでフツーに喋ってくださるのがなんともおかしい。「お前さん方はいってぇ何者だい?」と聞かれるかと思ったのに。

 貼り出しの前で談笑する錦之助さん(左)。

◆ 13:00〜いよいよ本番

 曽我狂言の中でも舞踊の代表作とされる『正札附根元草摺』。荒事と舞踊が一体となった華やかさと面白さがある。この出し物で面白いのは、曽我五郎と女性である舞鶴が鎧の草摺を引き合って力比べをするという設定。最後は曽我五郎が舞鶴の力に根負けしてしまうのも面白いところ。曽我五郎を演じるのは六代目を襲名したばかりの中村松江さん。父の東蔵さんとともに参加です。一方力持ちの舞鶴を演じるのは時蔵さんの長男の梅枝さん。こちらも親子で参加。梅枝さんは古風ではかなげな風情の中にも花のある若手注目株。

 梅玉さんの仕切りで行われた二代目中村錦之助のお披露目口上。普段のお目見得口上なら、ご当地の歌まで(実際大分公演で信二郎時代に歌を披露したこともあるとか)披露する楽しい錦之助さんだが、さすがに今回は自身の襲名披露とあって、裃姿でキリリと。

 『番町皿屋敷』一場・麹町山王下の場。青山播磨(お菊を手打ちにする)を演じるのは中村梅玉。左手紫の衣装をまとう放駒四郎兵衛に中村錦之助。中央は渋川後室眞弓を演じる中村東蔵。

 中村時蔵演じるお菊は皿を割ろうと何度もためらう。そのたびにシャッターチャンスを逃すまいとカメラを構えていた取材班も翻弄されます。数えろと言われたお菊が取り出す皿を片っ端から刀で割る播磨。播磨の怒りの激しさに震えが止まらないお菊。

 『戻駕色相肩』は江戸時代の歌舞伎の顔見世興行などで上演されていた古風な出し物。一つの駕を豊臣秀吉と石川五右衛門が担いでいるところからお話が始まるという奇想天外、でも歌舞伎なら大ありという奇抜な物語でもある。石川五右衛門(舞台の中では浪花の次郎作)を演じるのが三代目尾上松緑、一方真柴久吉、史実の豊臣秀吉(舞台の中では吾妻の与四郎)を演じるのは二代目中村錦之助、その駕に乗って登場する禿たよりを錦之助の長男中村隼人が演じています。荒事を得意とする松緑さんは、舞台を降りても松緑さんらしいというか、存在感があって、舞台裏でもすぐに見つけてしまいます。

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