Vol.38 2007 AUTUMN

美への視線

街路/大分市


書を捨てて街へ出よう

ー寺山修司ー

 かつて、まちなかの繁華街は「オマチ」とよばれて、みんなのハレの場であった。
  そこは、目ヤニが出る位キョロキョロして、観るもの聞くもの何もかもが物珍しく、興奮をそそる場所であった。年に一度あるか二度あるかの家族揃っての百貨店屋上食堂での食事。赤いケチャップのかかったオムライスもミルクセーキも、日頃の卓袱台を囲むのとは違った大層ハイカラでカルチャーショックな味がした。
  時移り、ひとが増え、交通手段が便利になるにつれ、オマチの濃密さは四散して、物心とも薄味になってしまったかに見える。
  しかしながら近年また、大きな祭りや、オシャレな街路や、公園リニューアルなど、賑わいの背景作りは力を蓄えてきている。
  一張羅を着て、イソイソと《オマチ》に出よう。

絵・文/建築家 山口隆史
写真/ 宮地泰彦

このページのTOPへ戻る