
路地/別府市
通りゃんせ 通りゃんせ ここはどこの細道じゃ……
ー江戸時代のわらべ唄ー
まちなかを回遊する時の魅力のひとつは、表通りの賑わいから一歩入った裏通りに、もうひとつの別の世界を見つける事だろう。そこには、まちの隙間としての路地や小路や辻があり、そこに住むひとたちにとって大切な生活の場があった。
かつてその路地は、物売りや芸人が来て賑わいをみせていた。子供たちの遊び場であり学びの場であった。向こう三軒両隣り、老若男女が心かよわす親密な公共空間でもあった。
極小が生み出した大きなくらしの知恵は、どっこい生きていたのだ。
絵・文/建築家 山口隆史
写真/ 宮地泰彦