Vol.36 2007 SPRING

舞台裏探訪 emo LOOK BACK

NHK交響楽団
演奏会
大分公演

2007/3/6(火)19:00開演 iichikoグランシアタ

 『千の風に乗って』がヒットチャートの1位に輝き、クラシックマンガをドラマ化した『のだめカンタービレ』で編成されたオーケストラのCDが勢いよく売れる…いまやJ―POPなどと肩を並べるくらいポピュラーになったクラシック音楽。そのライブの醍醐味を長年伝えてきたオーケストラにNHK交響楽団があります。古くからのファンが大勢待ちわびる大分公演ではそのバックヤードに潜入。規制されることのほうが多いこの種類の取材ですが、NHK交響楽団の全面的な取材協力と、楽団員のフレンドリーな対応によって、演奏会だけでは知ることのなかった、”バックヤードから眺めたN響“をご覧に入れたいと思います。

 楽器や衣裳の搬入が速やかに終わる。N響専用のコンテナがあるのも貫禄。

 こちら匹田幸子さんは、N響専属で15年間大分公演のケータリングを受け持ってきた。食べ物や飲み物を用意するだけでなく、お迎えからお見送り、控え室や楽屋のチェックまでとやりとげる。今回は120人分。もちろんむやみに話し掛けたり、サインをねだるなんてことはあるまじき行為ときっぱり。

 楽器が入る前のiichikoグランシアタ。演奏者たちにもこの劇場の評判はすこぶるいい。

 加納常務は以前大分放送局の局長だった人。「大分は第2の故郷」とこの日も大分の銘菓を差し入れ。

 恒例のemoショットは、コンサートチーム副部長の利光敬司さん。じつは大分県出身。この方のお陰でバックヤードに深く潜入できたのでした。

N響を支えるスペシャリストたち

 ステージマネージャー、つまり舞台監督の多戸さん。じつはトランペット奏者でもある。「楽団員は先生だらけ」というように、メンバーの中には演奏者としての先生や先輩も大勢いる。ステージマネージャーの仕事となると、演奏会場の事前の情報集め、セットの構成プラン、リハーサルの進め方etcと上げればきりがない。管楽器が横にズラリと並ぶ特徴があるN響は曲ごとの並べ替えも大変。それも速く美しく行なわなければならない。「椅子を重ねるにもガチャではなくカチャと。モタモタしていると客席のハクションというくしゃみが“速く”して!に聞こえてくる」と笑う。確かに、チャイコフスキーの『エフゲーニ・オネーギン』〜「ポロネーズ」からヴァイオリン協奏曲に移る曲間に片付けられた椅子のカチャはお見事でした。

 ライブラリアンの岩渕さん。N響の楽譜の全てを保管・管理・準備をする専門家。楽譜によっては20年、30年たっているものもあるとか。

 ヴィオラ奏者の中竹さん。大分に訪れる度に大分のことも詳しくなった。演奏会が終わった後は、オーケストラもフツーの企業と何ら変わりない。「軽く行こうか」と声をかけ仕事帰りの一杯を楽しむのだ。

 美人オーボエ奏者の池田さん。同じく九州は宮崎の出身。大分には“お母さん”と呼んでいる女将さんのいる馴染みの料理屋さんもあるとか。ドヴォルザークの『新世界から』ではイングリッシュホルンソロを披露。「皆知っている曲なのでとにかく楽しんでもらえるように演奏したい」と。取材を受ける池田さんを取材するメンバー。

それではここでちょっと楽譜のお勉強

 楽譜を見せていただいている時に舞台監督が話してくれたことがおもしろかったので、突然ですが、知っているようで知らない楽譜のお勉強教室に入ります。

 じつはいろんなメモが書き込まれている。例えばこのメガネは「ここでよくマエストロ(指揮者)を見ろ」という印。この他にも、楽譜をめくるタイミングや弓のup、downのタイミングまで記されている。を取材するメンバー。

 楽譜に残される指揮者の名前。そしてこの楽譜にある“サヴァリッシュ”の名前。カラヤン、デュトワ、アシュケナージなど名だたる指揮者がタクトを振ったN響にあって、ウォルフガング・サヴァリッシュは楽団員が最も尊敬する桂冠名誉指揮者。ヴィオラの中竹さんは、「何も考えず、ただ彼について行けばいい、そんな全幅の信頼を寄せられる偉大なマエストロだった」と話す。

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