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「モーツァルト効果」って?
音楽療法士 深川 富美代(医療法人ストレスケア若草 深川内科クリニック)
 
 

 街の CD ショップの「癒しのクラッシックコーナー」などにある音楽の中で、一番多いのはモーツァルトの音楽でしょう。癒し、心の安定、リラックス、更には頭が良くなる、耳鳴りに効く、ダイエットに効果的というモーツァルトの音楽を集めた CD などもあります。

 一方、音楽療法の仕事では、対象者にとっての目的:こうなりたい、こうありたい、という目標に沿って、音楽を活用していきます。楽器を使ったり歌を歌ったり、という能動的音楽療法と、音楽を生であれ録音であれ鑑賞したり、イメージングをしたり、という受動的音楽療法とに、大まかに分けられます。どちらの場合も、対象者の嗜好や状態を考慮して音楽を活用していきます。音楽のもつ力には想像を越えるすばらしさがありますので、その力を最大限に活かします。「音楽を聞くだけで音楽療法」とは言えないのですが、モーツァルトの音楽のもつ力について考えてみたいと思います。

 「モーツァルト効果」と一般的に言う場合は、先の鑑賞としての「モーツァルトの音楽を聞いて何かが改善した。」という意味合いが大きいようです。もともとは、ネーチャー誌上に発表された IQ テストの空間認知がモーツァルト音楽を聞くと上昇した、という論文が発端で、「頭の良くなるモーツァルト効果」がポピュラーになりました。今も反論が続いており、音楽の効果の科学的・医学的証明の難しさを痛感します。やはり音楽というのは心で感じるものだからでしょう。

 モーツァルトの音楽の良さ、というのは、まさにこの「心」にスッと入り込む、溶け込んでゆく自然さにあります。もともとクラッシック音楽自体が、昔からの流行音楽がずっとすたれずに時代を超えて受け継がれてきた音楽です。聞いていて気持ちが良い、という好感度の高い音楽だけが残ってきたのです。その中でも、モーツァルトの技巧を凝らさない音楽の自然な流れは特筆ものです。音楽の好き嫌いの多い人でも「モーツァルトが嫌い」と断言する人は少ないものです。ストレスの多い人を対象にした筆者の実験でも、「無理やりリラックスさせられそうな音楽がイヤ。」とヒーリングミュージックやリラックス音楽に拒否感をもつ人でも、モーツァルトの音楽は好感度のポイントが高かったのです。それは、モーツァルトの音楽が「天上の音楽」と呼ばれているように、まさに天から降ってきた音楽を書き留めているような、内から湧き上がる音楽をそのまま流しているような優しさに満ちているからでしょう。

 現在、 TV 番組の BGM でもモーツァルトの曲が頻繁にかかっており、それと知らずに毎日モーツァルトの音楽を耳にしている方も多いと思います。人間の心拍数に合った自然なテンポ、聞きやすいシンプルなモティーフ、息遣いに合ったフレーズ、優しい流れのハーモニー(和音)で、違和感なく私達の耳に入ってきます。「知らず知らず気持ちよくなっている。」それがモーツァルト音楽の持つ最大の力なのでしょう。
 

今回はそのような、よく耳にするモーツァルトの気持ち良い音楽をご紹介します。
CDは大分県文化振興財団選

 

(テレフンケン WPCS22036)

ホルン協奏曲
第1番ニ長調
  ヘルマン・バウマン
(ナチュラル・ホルン)
  ニコラウス・アーノンクール
ウィーン・コンツェントゥス ・ムジクス


(ドイツ・ハルモニア・ムンディ BVCD38048〜9)
メヌエット
ディヴェルティメント

第17番ニ長調 k.334の第3楽章
  コレギウム・アウレウム
合奏団員

(ドイツ・グラモフォンUCCG3399)
ピアノ協奏曲
第21番ハ長調 k.467の第2楽章
  マリア・ジョアン・ピリス
(ピアノ)
  クラウディオ・アバド
ヨーロッパ室内管弦楽団


(テルデック WPCC4861〜2
※ジャケットは輸入盤のもの)

交響曲
40番ト短調
ニコラウス・アーノンクール
ヨーロッパ室内管弦楽団

 
    TV「1万円節約生活」のBGMで聞いた人も多いはず・・・。ホルンの柔らかい音色と大らかな旋律に気持ちが安らぎます。自然と優しい気持ちになる曲です。  特に第3楽章は気分転換したいときにはうってつけのお勧め曲です。3拍子で、非日常の優雅でゆったりした気持ちになれます。1日の疲れをとる時にゆったりした気持ちで聞いてください。  第2楽章は、「みじかくも美しく燃え」の題名からも知られており、柔らかいロマンティックなメロディーに癒されます。ストレスケアの実験でも、一番受け入れられやすかった曲です。目をつぶって音楽に合わせてゆっくり首や肩、腕(指揮をするように)を動かしてみると、より早く音楽のムードに同調できますので、ぜひお試し下さい。  有名な交響曲です。三大交響曲と呼ばれる交響曲39番、40番、41番をモーツァルトは、32歳の時に2ヶ月で仕上げたそうです。まさに湧き上がる音楽の集大成、といった感じがします。決してその時期幸せだったとはいえない状況の中での、このゆるぎのない安定感は、きっとどんな時でも私たちの心を落ち着けてくれるでしょう。